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こういうものは
すぐに提出する性格だと思っていたから、
なんだか意外だった。
「進学…かな。」
彼ならきっと。そう思って出た言葉だった。
これ以上考えると彼が遠くに行っちゃいそうで
考えるのをやめて逃げるように部屋を出た。
リビングに戻って、
まだ寝ている彼の隣に座って一緒に毛布を被る。
隣からすやすやと規則正しい寝息が聞こえる。
それが心地よくて段々瞼が重くなってきた。
月島「A、あのさ…」
最後に聞いたのは月島くんの声で、
その後は覚えていない。
月島「え、寝たの?」
赤葦さんも、Aも寝るのが早い。
…いや、余程疲れていたのかもしれない。
2人で毛布にくるまる姿を見ると、
とても赤葦さんが浮気してるようには感じない。
赤葦さんの肩に乗ってる毛布の一部分が
落ちそうだったのでそっと掛け直した。
赤葦「ん…、」
ゆっくり目が開いて目が合う。
月島「あ、起きちゃいましたか?」
赤葦「ごめ…寝てた…?」
月島「はい。ぐっすり。余程疲れてたんですね。」
赤葦「やること多くて…ん?」
毛布から出ようとすると
横で寝てるAの姿が視界に入った。
月島「さっき寝たばかりで…
起こすのも気が引けたので、
そのままにしちゃいました。」
赤葦「Aはご飯食べた?」
月島「さっき一緒に食べました。」
赤葦「…そう。」
月島「赤葦さんはどうします?」
赤葦「俺も、食べようかな。…姉ちゃんは?」
そっと毛布から出てAを毛布でくるんで
ソファーに寝かせる。
月島「洗濯してくるって言って
全然戻ってこないですね…」
赤葦「ごめん、ちょっと見てくる」
月島「その間に用意しておきますね。」
リビングを出て脱衣所のドアを開けると
姉ちゃんは座り込んでいた。
赤葦「どうしたの、姉ちゃん」
桜結「洗濯してお風呂入ったら
なんか気分悪くなっちゃって…」
赤葦「昼間から酒なんて飲むから…立てる?」
桜結「うん、ごめん」
手を貸して何とか立ち上がったが、
ふらついてしまうようで、俺の方に倒れてきた。
赤葦「本当に大丈夫?」
桜結「ぐるぐるする…」
赤葦「捕まってて。」
姉ちゃんをそのまま持ち上げ、リビングまで運ぶ。
月島「大丈夫ですか?」
赤葦「飲みすぎただけっぽいから大丈夫。
部屋まで運んでくるから
水持ってきてもらってもいい?」
月島「わかりました、」
赤葦「助かるよ、」
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作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時