後の祭り ページ24
ほとんど話し終え、学校に戻る。
月島「…僕は、Aさんがどれを選んでも
正解だと思う。」
「蛍くんにそう言われると自信が持てる。ありがとう。」
体育館に入ると、
光太郎が何故かしょぼくれていた。
「光太郎、ただいま。」
木兎「おかえり」
「…どうしたの?」
木兎「…A、ハグして。」
「え?なんで??」
木兎「いいから」
不審には思ったけど、
多分やらなきゃ余計機嫌悪くなるだろうなって
思ってハグをした。
木兎「…別れて、付き合って。」
「まだ、何も聞いてない」
木兎「やっぱ浮気だった。」
「…そう」
そうだろうとは思ったけど。
信じたかった自分もいて、苦しくなった。
光太郎から離れて、深呼吸をする。
月島「Aさん、大丈夫?」
「…ごめん。」
月島くんは背中をさすってくれた。
月島「謝る必要なんてない。」
「疑ってたけど、ほとんど信じてた自分が居たみたい」
月島「そうみたいだね、」
「黒尾さん、いる?」
月島「呼んでくる?」
「お願いします、」
月島「待ってて。」
「うん、」
月島くんは、行ってしまって、
目の前にはしょぼくれた光太郎の姿が見える。
「なんで落ち込んでんの、」
木兎「カッとなり過ぎた。」
そう言って俯いて自分の手の甲を見つめていた。
その手は少し赤くなっていて、
その理由に納得した。
「謹慎だよ、」
木兎「分かってる、ごめん。」
「1発?」
木兎「うん、黒尾に止められた。」
「慣れない手で殴るから、赤くなって…」
その手をそっと撫でる。
木兎「バレーしかしないからなあ、」
「ずっとそうだよね、」
木兎「うん、」
「京治は?」
木兎「帰った。家に。」
「辞めちゃうの?」
木兎「知らない。帰るって言ってた。」
「そっか。」
木兎「辞めなかったら、辞める?」
「辞めない、最後までマネやるよ。」
木兎「偉い。」
くしゃくしゃと頭を撫でられる。
黒尾さんの撫で方と違って
不器用ではあるが、優しい。
黒尾「Aちゃん、」
「黒尾さん…」
黒尾「遅くなった。…外で話そうか」
「はい、」
光太郎と月島くんには体育館に居てもらって、
黒尾さんとの約束の場所に来た。
黒尾「話は大体聞いたよね、」
「はい、」
黒尾「赤葦が殴られたのも。」
「聞きました、」
黒尾「Aちゃんはもっと痛いと思う。」
「…痛いです、」
黒尾「いいんだよ、泣いて。」
「黒尾さん、私、どうしたら…」
黒尾「別れたいなら、別れればいいし
まだ好きなら一緒にいればいい。
Aちゃんの自由だよ。」
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作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時