痛み ページ23
赤葦「木兎さんに貸しましたっけ」
木兎「匂い嗅げばわかるんじゃないの」
そう言われ、匂いを嗅ぐ。
赤葦「木兎さんじゃないですね」
木兎「じゃあ誰の匂い?」
赤葦「記憶には…」
待て、なんかある。
木兎「あるんだな、」
黒尾「まじか〜…」
赤葦「いや、ちょっと待ってください」
木兎「赤葦、俺さ、赤葦なら大丈夫って思ってた。
わりーけど、見損なったわ、」
赤葦「それは、あの子が、」
木兎「そんなんどうでもいいんだって!!」
また胸ぐらを掴まれ、
今度は壁に背中を打ち付けられた。
木兎「赤葦が、悪いの。
赤葦がそんなことしなかったら
よかった話なの!!!」
木兎さんの息は荒くなっていた。
赤葦「俺は…」
木兎「だからさ。これ以上イライラさせんなって。」
木兎さんは俺を睨みつけた。
弁解の余地なんて無いのだろう。
赤葦「…俺が浮気した、ってことでいいです。
あの子と会いました。抱きしめられました。
少しならいいかな、って思いました。」
木兎「…っ!Aは、どんな思いで
それを受け取ったと思ってんだよ…!!」
木兎さんは震えていた。
赤葦「…わかりません」
木兎「俺の心とAの心を踏みにじりやがって…
いい加減にしてくれよ…!!」
赤葦「すみません、貴方達の気も知らないで…」
木兎「…別れろよ、
赤葦にAの事幸せに出来るとは思えない」
赤葦「それは、出来ません」
木兎「無理、別れて。」
赤葦「俺にはAが必要で…!」
別れたくない、と言いかけて殴られた。
じんわりとした痛みと共に
口の中に血の味が広がる。
黒尾「木兎やりすぎだ…!」
黒尾さんが止めてくれたおかげで
2発目、3発目と喰らうことは無かったが、
木兎さんは未だに怒っていた。
そりゃあそうだ。
木兎さんの好きな人が傷つけられたんだから。
木兎「お前の言ってることは自分勝手だ!
その子の所に行けよ!
Aに近づいたらぶっ飛ばすからな!」
赤葦「…もう、いいです。
黒尾さん、すみません。今日は家に帰ります。」
黒尾「え、あ、おう…気をつけてな…」
赤葦「自分勝手ですみません。」
体育館を出て部屋に戻り、
部活着のまま荷物を持って部屋をでる。
その足でさっさと事務室で帰宅届けを記入して
靴を履き替えて、校門をでる。
殴られた箇所はまだ痛むが、
処置をするのもめんどくさく感じ、
そのまま家に帰ることにした。
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作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時