不穏な空気 ページ22
影山「あの、木兎さんにトスを上げる時って…」
結局、Aに会えないまま朝練が始まった。
赤葦「教えようか?」
影山「いいんですか!?」
日向「赤葦さん、トス上げて貰っていいですか!!」
赤葦「うん、いいよ。」
影山と日向に捕まって、動けそうにない。
というか、木兎さんはどこに行ったのだろうか。
軽く周りを見渡すと、
黒尾さんが体育館に入ってきた。
軽く2人に断りを入れて、
黒尾さんの元へ駆け寄った。
赤葦「あの、木兎さん見ませんでしたか?」
黒尾「木兎??あー、汗かいたから
シャワー浴びるって言ってたな。
そろそろ来ると思うけど…なんで??」
赤葦「いえ、あれから会ってないなと思って。
特に用はないですけど…。」
黒尾「Aちゃんはいないの?」
赤葦「午後から高校増えるので
その準備に追われてるのではないかと…」
黒尾「マネも大変だな、ちゃんと労わってやれよ〜」
赤葦「はい、すみません。」
軽く一礼をしてまた日向と影山の元に戻り
トスを上げたり色々しているうちに
木兎さんが体育館に入ってきた。
なんの迷いもなく木兎さんは
俺の元に向かってきた。
赤葦「木兎さん、練習しますか?」
その言葉に返事をすることはなく、
俺らの距離が縮まるだけだった。
近づいてくる度に、
怒っているような気がしてきた。
赤葦「木兎さん、どうしたんですか。」
あと2歩、という所で
木兎さんはピタリと止まった。
彼は眉間にシワを寄せていた。
かなり不機嫌な証拠である。
木兎「赤葦さぁ、」
赤葦「はい。」
お前を逃がさない、と言わんばかりの
大きい瞳に捕えられ、思わず体が硬直する。
木兎「何がしたい訳?」
赤葦「えっ?」
木兎「…答えろよ」
赤葦「木兎さん、何言って…」
木兎「答えろって!!!」
木兎さんに胸ぐらを掴まれる。
黒尾「おい、木兎!」
黒尾さんが駆け寄って来たが、
木兎さんは目もくれず、
俺の事を冷たい目で見続けた。
赤葦「…何のつもりですか。」
木兎「自覚してねーんだな、」
そういうと黒尾さんを見る木兎さんに対して
頷いて体育館を出ていった。
赤葦「何ですか、一体…」
すぐに戻ってきて、何かを木兎さんに渡した。
木兎「これ見てもわかんねーの?」
ぱっと、手を離したと思いきや、
俺にそれを押し付けてきた。
赤葦「…ジャージですね、」
木兎「誰の?」
赤葦「俺の…」
木兎「なんで持ってると思う?」
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作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時