『2434』愛されマネージャー

俺のマネージャー ページ10

俺のマネージャーは。

バカで。
『葛葉、ごめんスケジュール間違って送っちゃった』

短気で。
『は？？うるせぇよ。クズが』

ヤニカスで。
『っはぁ〜。やっぱり外で吸うタバコが1番うまい』

アル中で。
『へいへいへいくーちゃん、飲み足りなくない？足りないよね？？』

巨人で。
『巨人言うな！背が高いって言いな』

でも時々。

『すいませんでした。全て私の責任です！』
素直で。

『何も心配いらない。葛葉が伸び伸びといれる環境を作るから。安心して』
優しくて。

『うちの葛葉馬鹿にしました？あの子の事何も知らないくせに口出すなよ』
男気があって。

『葛葉、新曲超かっこいい！！最高！！』
『葛葉、一緒にてっぺんみようね』
『大好きだよ、葛葉』
甘い。

ただのマネージャーだと思ってたのに。
色んな顔するから。
本社に我儘を言い1度手元から離れたAをもう一度マネージャーにしてもらった。

｢なぁ｣

『んー？どしたん葛葉』

｢お前ほんと見てて飽きねぇな｣

『は？なに急に』

電子タバコを加える彼女をみればベリーの匂いがする。

｢なんでも。ずっと俺のマネでいろよ｣

『それはどうかなぁ。会社次第だし』

｢は？お前は俺のもんでしょ？｣

『人をもの扱いすんな』

｢あーあーうるせぇし、くっせぇ〜。タバコ吸うなやぁ｣

『はいはい。すいませんね〜』

担当ってだけでAを独り占めできるなら。

俺のマネはずっとコイツのままがいい。

担当であればコイツの優先順位は俺が1番だし。

『葛葉？』

叶とかイブラヒムとか他のライバーが狙ってるらしいが。

全く譲るつもりはない。

彼女の好きな曲を鼻歌で歌う。

『…ふふ…どうしたの急に』

｢別にお前この曲好きだよなぁと思って｣

『まぁね、素敵じゃない？相手の為に世界征服しようなんて』

｢まぁ、俺が本気になったら1発だけどね｣

『はいはい、さすが吸血鬼様』

｢バカにしてるだろ、それ｣

『ふ、さて〜。明日も吸血鬼様の為に沢山働きますかぁ』

｢おぉ。貢げよ火畜｣

『任せて下さいよ、ご主人様』

誰にも譲りたくない。コイツの為に何かしてやりたい。

そんな感情の名前を俺はまだ知らない。

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