彼女が本気を出した時1 ページ28
｢あー…今日はこの辺にしとくかなぁ。ほな対あり｣
いつもより短い配信。
理由は簡単。
時折みえるアンチや荒らしコメ。
人気になればなるほどそれと同様に増えるのは嫉妬の雨。
『………』
この業界は匿名でアンチが湧き上がる。
わざわざ批判だけするためにファンレターに嫌な言葉を書くほど。
それは仕方ないけど。
疲労と共にそれも積み重ねればいつか爆発する。
そうなって辞めたライバーも沢山いた。
そう言った言葉を見せないようにコメント削除やファンレターを抹消した。
でも強がってても人を傷つけるのはいつだって人。
マネージャーとして、彼の為にできるのは。
最後の最後として置いておいた企画書を手に取る。
一時的でしか効果がないかもしれないけど。
これをすれば火種は私の方に向くだろう。
瞳を閉じてそっと脳裏に思い出す彼の顔。
『……やるか』
いい大人だからほっといてもきっといいだろう。
でもそれを出来る程私は大人じゃない。
朝一で上長に出すために企画書を練り直す。
これは私の本気。
〜〜〜〜〜
ﾋﾟﾛﾝ。
｢んぁ…？｣
全ライバー向けのdiscordに届いた新人ライバーデビューの文字。
それと共にTwitterでも告知される。
｢こんな時期に…？しかも1人｣
｢なぁA、これ聞いてた〜？｣
『んー？いや知らないよ〜』
イマドと遊ぶAに対して声をかければ同じく首を傾げる彼女。
｢ふーん…シルエット的には女ぽいよなぁ｣
『それより葛葉明日のスケジュール確認するよ』
｢へいへい｣
特に意識することもなく画面を閉じた。
それが自分を苦しめる事になるとは思わず。
『葛葉』
｢あ？｣
『今日配信する予定ある？』
｢あ〜。新人発表あるからそれ終わった後にってこと？｣
『いや多分そんな長くならないらしいから被せてもいいって』
｢そうなん？ならこっちの配信先にやっとけばおっけ？｣
『うん』
｢りょ〜｣
『あと葛葉』
｢ったく…今度はなんだぁ｣
『配信最近…楽しい？』
｢……まぁそれなりに？｣
歯切れ悪くなるのは最近増えてきたアンチのせい。
『そ…』
別に炎上も初めてじゃない。
けどネットでのアンチってのは、どれだけ消してもなくならない。
だからこそ振りかざせる刃。
イラつく事も正直へこむ事もあるけど。
応援の声と共に増えるそのアンチを気にしないわけにはいかなくて。
少しだけ全て投げ出したくなる時がある。
『安心して』
『きっと葛葉へのアンチは減るよ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 781人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「2j3j」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nero(プロフ) - 零さん» ありがとうございます！応援が励みになるので嬉しいです！ (2022年1月22日 0時) (
レス) id: 8d2da00579 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - コメント失礼します。そして、一言失礼します。貴方は、天才ですか！！！！！！もう好きです！！付き合って下さい！！（突然の告白すみません🙏）これからも更新頑張ってください。 (2022年1月21日 23時) (レス) @page46 id: 46e0494878 (このIDを非表示/違反報告)
Nero(プロフ) - わー！お知らせありがとうございます。助かります (2022年1月15日 9時) (レス) id: 8d2da00579 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリフラたってますよ😧💦 (2022年1月15日 8時) (レス) id: f6ccfb747c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Nero | 作成日時：2022年1月13日 20時
