38.主人公なんていない ページ40
「ごめんダイゴ！途中ハルカちゃんと会って話し込んじゃった！」
自然溢れるツリーハウスの町並みを横目に慌ててポケセンに入るとダイゴがロビーで待っていて、そこに駆け込んだ私はダイゴを見るなり両手を合わせて謝った
ダ「おかえり、南の孤島で会った子だよね」
「ええ、ラティオスともまた会えたわ」
ダ「よかったじゃないか！さあ部屋とってあるから早く荷物置いて夕飯にしよう」
「部屋ありがとうダイゴ！」
私達はポケセンの食堂で夕飯を済まし、それぞれ隣同士の部屋に入り、トクサネからヒマワキまでの旅で疲れた体を 伸びをしてほぐした
それから私はシャワーを浴びてタオル一枚のまま、予め持ってきたサイコソーダでも飲もうと部屋に戻った
「…えっと、なんでいるの」
目を疑った。ゴシゴシと擦ってもう一度見た
紫がかった髪と瞳
「ラオム」
はっと息を呑むような美しい容姿。表情を変えない事で更に絵画のように見える
ラ「やあ、A久々だね」
ラオムはそう言いながらゆったりとベッドに腰掛けた。サイコソーダを出して一本をラオムに渡すともう一本を開けた
「何しに来たの？色々教えてくれに来たの？」
ラ「いや様子を見にね。見たところ君はまだ誰にもトリップの事は言ってないんだろう？」
「えぇまだ言ってない」
ラ「銀髪には言うつもり？」
「いずれ、ね。信用してないわけじゃないけど、きっと変な奴って思われるから。心の準備がまだってとこかしら」
ラ「ふうん」
「ラオム…トリップ前の記憶が薄れてきてる」
ラ「時空を越えるって事はその世界を乱すようなものだからね、君は特別だからある程度平気だけど、元居た世界の時のこの世界についての記憶は薄れてしまうのだろう」
「この後何が起こるか予想できなくなってきて…凄く不安なのよ」
ラ「君がこの世界に来た事で物語は少し違ったものになっている。だから記憶が薄れてるんだ。でも君はシナリオ通りに進める為にここに来たんじゃない」
ラオムは伏せ目がちに言う。ラオムの長い睫毛が震え紫がかった瞳が揺れた
「なんだか難しい話ね…シナリオ通りじゃなくていいの？」
そう言うとラオムは私の瞳の奥を見るかのように見つめた
ラ「君にとってのハッピーエンドに導くんだ。主人公なんていない。誰だって自分が主人公だ。君が目指す未来を守れ
そして君がいるこの世界を守れ」
「主人公はいない…
私が目指す未来…私がいるこの世界…」
思わず復唱する。
何かつっかえていたものがとれた気がした
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ペンギンサン(プロフ) - 只今絶賛愛読中です！面白い小説ですね！ (2018年6月4日 0時) (
レス) id: 9bd14d6626 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - みくさん» みくさんコメントありがとうございます！今度書いてみます(*^^*) (2015年5月9日 14時) (レス) id: 58ac159677 (このIDを非表示/違反報告)
みく - マナさん» マナさん、お知らせを読みました。番外編を書こうか迷ってる様ですね！私としては、是非書いて欲しいです！ (2015年5月6日 23時) (レス) id: df33d45b2b (このIDを非表示/違反報告)
みく - マナさん» こんにちは！返信くれてたのね、ありがとう。あ、全然大丈夫だから 気にしないでね(^_^)ハードスケジュールで大変かもしれないけど、頑張って!!待ってまーす♪ (2015年5月5日 12時) (レス) id: 9776d46567 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - みくさん» 今晩は！GWは毎日予定が入ってて…中々ハードで更新が…(/ _ ; ) なるべく早く次更新できるように頑張りますね！ (2015年5月4日 22時) (レス) id: 58ac159677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マナ | 作成日時：2015年3月25日 21時
