16話 ええもん ページ19
「侑ー!治ー!ええ試合やったなあ!」
宮くん達を見つけた戸田さんはぶんぶんと彼らに手を振った。
「穂南やんか!またお前来とったんか!」
「来とったんかってなんや!せっかくええもん持ってきてやったんに」
そう言って差し入れが入っている袋を掲げると
「穂南さんほんとに来てくれてありがとうな!」
「愛しとるで」
宮くんとツムさんは態度を一変させて戸田さんから袋を受け取った。
なんでも有名なお店の焼き菓子で、朝から並ばないと買えないようなものらしい。
「戸田さんか。いつもすまんな。」
宮くん達の後ろから姿を見せた北さんが、小さく戸田さんに頭を下げた。
「ええんですって!こっちもいつも楽しませてもろてるんで!」
「穂南ちゃんはバレー部の人達の仲良いんだね」
「いや、うち侑らと同中で、ちょいちょい差し入れとか持ってくうちに名前覚えてもろただけやし、仲良いとはちゃうと思うで」
「でもなんか、そういうのいいなって、思う」
ぽろっと溢れたその言葉。
自分でもなんでこんなこと言ったのか、よく分からない。
このもやもやした気持ちも、よく分からない。
73人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
淀(プロフ) - めーぷるさん» コメントありがとうございます!とても励みになります。現在私生活の方が忙しく更新できておりませんが、待っていただけますと嬉しです! (2020年2月9日 13時) (レス) id: a73053601c (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる - え、めちゃめちゃ面白い・・・。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年1月27日 16時) (レス) id: f01d8b6a59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:淀 | 作成日時:2020年1月17日 2時