苦手なはずなのに【10】

308話 ページ19

『もーーー！！！
寿命が100年縮みましたよ！！！！』


「いや、100年てお前
どんだけ生きるつもりなんだよ」



興奮する私に
福山さんが笑いかける



そう今回の飲み会は
サプライズで計画されていた
レコーディングお疲れ様会だったらしい

監督達の他に
今までの収録関係者
収録にちょっとでも出た若手声優
それに神谷さん福山さん彩香ちゃんも
呼ばれていた



「いやぁ、遊佐さん居なくて
逆にビックリしたよ」

『遊佐さんは』

「そーだよ！遊佐さんはどうしたの！？」


神谷さんの言葉に私が答えようとすると
彩香ちゃんがすかさず割り込む



『…遊佐さんは残りのお仕事をすませて
こちらに向かうそうです』


モヤモヤした気持ちと同時に
興奮が悪い意味で少しだけ静まった



「な〜んだ彩香寂しいぃ〜」


そういうと
すたこら他の輪に入って行った


また違う若手の所に行きやがって…




福「まぁ、あんなの放っておいて
俺らに何か一言ないの？」

『ん？一言？』

神「うわ、Aちゃんひどいな」



ブーブーと不貞腐れている2人見て
私はクスリと笑う



『嘘ですよ

お二人共もレコーディング
お疲れ様でした』


福山さんと神谷さんそれから彩香ちゃんも
私達より先に終わらせていた身だった



わざとらしく不貞腐れていた2人は
嬉しそうに微笑み


「「お互いお疲れ様でした」」


と、3人仲良く軽くお辞儀をした

309話→←307話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す