苦手なはずなのに【10】

221話 ページ2

『何買うんですか？』

コンビニに着くと
遊佐さんはご飯物を眺めていた


「うーん、家に食材あるけど
作るとなるとまた時間かかるから
ご飯でもと…Aちゃんご飯まだだよね？」



確かに、私も仕事終わってすぐに
合流したので夜ご飯を食べ損ねてしまっていた


「コンビニ飯ですまないね」

『いえ、お手間になるのでコンビニで結構です』


それよかこの人料理するんだとそこに驚く自分

…ん？夜ご飯も遊佐さんの
家で食べることになってしまった



「意外にラーメンとかも美味しそうだなぁ…」



そんなことは別に問題ないと
言わんばかりに私の隣で品定め中




『あ、ラーメンも美味しいですけど
この五目焼きそばも美味しかったですよ』


この前事務所でこの五目焼きそばを
食べたが結構美味しくて
感動した記憶がある


「へぇ…じゃあこれにする」


さっきまで迷ってたのに
私の一言で遊佐さんは
すぐ五目焼きそばを取ってカゴの中に入れた


『え、別にそんなにすぐ決めなくても』

「良いの良いの
それよりそっちは決まった？」

『あ、はい
私はドリアにしようかと…
それからサラダもって思ってたんですが
シーザーサラダが大きのしかなくて』


そう言いながらドリアを手に取り
サラダに悩んでいる事を伝えると
それもまた迷いもなく
大きめの器に入ったシーザーサラダが
カゴに入れられた



「じゃあ、これ半分こしよ？」



ちょっと嬉しそうに微笑む遊佐さん


この人とコンビニのサラダを
分け合う日がくるなんて…



いや、そもそもお家に上がることすら
考えられないか…

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