それは運命的なｰ石田彰ｰ (ページ8)

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結びページ8

廊下ではほかの目もあるし聞かれるのはまずいと思って空いていた会議室に入った。
入るなり私の背中には壁、数センチ先に石田さん。
私の顔の真横にある手は石田さんの手で完璧に追い込まれて逃げ場がないから心臓の音がそのまま伝わりそうで怖い。
優しく名前を呼ばれて半ば期待に胸を踊らす自分はもう半泣きで顔を上げた。

「俺はAのことが好きだよ。初めて会った日からずっと好きだった」

「年の差もあるけど...それでも好きだ。他の誰の所へも行ってほしくないよ」

今一番私を舞い上がらせる言葉だった、一番欲しい言葉だった。
それでも不安は残っているまま、

『私も、石田さんが好きです...でも、私じゃ釣りあわ、』

釣り合わないですって伝えようとした私の唇は石田さんに奪われた。
一瞬のことだとしてもその時間がスローモーションのように流れて離れた。
初めてのキス、大好きな人との

石「俺が大好きな女の子だよ、悪く言わないでよ」
『だ、だって』
石「だって、でも、は禁止ね？」

ねぇA、俺の恋人になってくれませんか？

『不束者ですが、よろしくお願いします』

憧れの先輩から大好きな人
大好きな人から愛する恋人へ___

ぎゅううううと音が聞こえそうなほど強く抱き締められた
『きゃっ』
石「あぁあ緊張した...」
『私は夢見てる気分です』
石｢目覚まさせてあげようかA？｣
『わあぁああ！！名前呼ばれるの慣れてないのに...！！』
石｢もう本当にかわいいね？今まで言えなかった分言うからね｣
『私生きていけるのかな...石田さんといると心臓持ちません』
石｢もう付き合ってるんだよ？名前で呼ばれたいなー？｣
『え、えぇええ！？』
石｢ふふ、呼んでよ｣
『えっと、あ、あ...彰さん！』
石｢...はーい｣
『もうニヤニヤしないでください...』

また口付けを交わして実はファーストキスだったということも伝えると
なんとも嬉しそうに彰さんは笑った。