理由24 ページ24
親を失ったにもかかわらず知らない人たちばかりで好かれていない眼差しを向けられ好奇の目で見られる。この子達のせいじゃないのに。
どうしても泣きそうになってしまった。わたしが泣いている場合じゃないのだ。この間にも泣いている合歓を落ち着かせるために左馬刻はずっと手を繋いで周りでヒソヒソ私たちを哀れんで馬鹿にするような顔で見てくる大人を睨んで自分の足で立っている。もうすっかりちゃんと女の子を守る男だ。弟に負けてられない。わたしがちゃんと守らなきゃ。
「左馬刻、合歓。……おいで。」
両腕を広げ両膝をついて迎え入れる姿勢をとる。
合歓はボロボロ泣きながらこっちに飛び出してきた。左馬刻はまだわたしのことを怒っているのかこっちを睨んだが、その目ももう涙でゆるゆるだ。
「合歓、おいで」
合歓の手を引いて左馬刻の方へ歩く。
ジリジリと数歩後ろに下がったもののわたしに抱きしめられてくれた。実は突き飛ばされたり『来んな！』とかなんとか言われて逃げられるのが関の山だと思っていたのだ。
2人をまとめてぎゅっと抱きしめる。
さあ、この後の話をちゃんとしなくては。
「2人には今日びっくりしたよ。ちゃんとお姉さんとお兄ちゃんになってたんだねぇ。左馬刻はずっとわたしが戻ってくるまで合歓を守ってくれてたもんね。かっこいいよ。合歓はわたしのこと心配して左馬刻なだめてくれたよね。優しい子だね。2人とも自慢の弟と妹だよ。こんな小さいのに2人はわたしより強いね。素敵だよ。それでね、2人に聞いて欲しいことがあるの。大丈夫？」
と問うと2人ともーー合歓は泣きながら、左馬刻はわたしをスッと見定めながら頷いた。
今より新しい家には住めないこと。
バイトが増えるからあまり一緒に居れないこと。
わたしがこれから2人のお母さんであること。
できないことがいっぱいできてしまうこと。
それでも2人が大好きなこと。
泣かないように気をつけることで必死だった。わたしが泣いたら誰に頼ったらいいのかわからなくなってしまう。泣くな泣くな、と自分に言い聞かせて2人の顔を見てどうにか笑った。左馬刻ももう我慢ならなかったのか泣いていた。本当に強い子だなあと姉として感動してしまった。一筋だけ涙が溢れてしまったのでそれを誤魔化すために2人の頭をわしゃわしゃと撫でた。
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?柚羽?(プロフ) - 萩さん» ありがとうございます〜(;_;)めちゃくちゃ不定期更新ですが気長にお待ち下さい…！！ (2020年5月22日 20時) (
レス) id: bd67ebdc67 (このIDを非表示/違反報告)
萩(プロフ) - 続き楽しみです！ (2020年5月22日 18時) (レス) id: 28ee4bfc20 (このIDを非表示/違反報告)
?柚羽?(プロフ) - 炎華さん» かなり久しぶりで不定期更新なのに忘れずに居てくださりありがとうございます(;_;)もう少し過去編続きますがどうかお付き合いください〜！ (2020年5月20日 11時) (レス) id: bd67ebdc67 (このIDを非表示/違反報告)
炎華 - お久しぶりです！元桜木の炎華です！今回も素晴らしい作品でした、夢主さんのなんとも言えない感情が好きです、また次の更新楽しみです！頑張って下さい。長文失礼しました！ (2020年5月20日 11時) (レス) id: 9f3a67480f (このIDを非表示/違反報告)
?柚羽?(プロフ) - 桜木さん» ありがとうございます(;_;)長らくおまたせしました…！私は風邪しっかり引きましたがコメ主さんもどうぞご自愛下さい〜！ (2020年2月4日 7時) (レス) id: bd67ebdc67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚羽 | 作成日時：2019年10月26日 23時
