ピース〔３〕

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日曜日、兄に頼まれてたモデルのバイト。




店に行くとヘアメイクさんたちが待ってて、


セットしますってやってくれた。




今回はストリートをイメージしてるので、


外で撮影しますって言われて、着替えた。





兄も着替え終えてセットも終わってて、


まぁカッコいいんじゃない？




直人「ねぇーどう？
何割増しのイケメンになった？」


「増してないよ。減だね。減っ。服が可哀想。」


直人「おいっ！笑」


「ふふっ。ウザいからあっち行って。」


直人「やだ。行かない。待ってる。」




メイクが終わるまで本当に隣に座って待ってた兄。




この人は本当にすごい人なのだろうか…


さっぱりわからない。笑




他にもモデルさんが居て、一緒に撮影した。




自然にしてー。ちょっとカメラ睨んで。


とか…色々指示されて撮影した。






撮影の終盤、兄に はい。って渡されたお茶。



受け取って2人で飲んでた。






直人「最近なんかあった？」


「えっ？何が？」


直人「いや、一緒にいられなくなった分、
お兄ちゃんはかなりAを心配してるよ？」


「…ふーん。」


直人「何でも言ってよ。」


「……お兄ちゃんはさ、」


直人「ん？」


「あと一歩勇気があれば…って思うことない？」


直人「ん？あるよ。」


「そういう時…どうしてるの？」


直人「んー。勇気を出す。笑」


「…。」


直人「くくっ。何悩んでるかわかんないけど、
案外勇気なんて必要ないかもよ？」


「…。」


直人「なるようになるから。
悩むより行動しなさい。」


「…ん。」


直人「大丈夫。何があっても
俺はAのこと大好きだから。
いつでも胸に飛び込んできてくれていいから。」


「…それはいい。」


直人「ふははっ。ひどいなぁ。笑」




頼りにならない兄。でも頼りになる兄。



だから何かあるといつも質問しちゃう。



悩むより行動か…。


それが出来ないから悩んでんのに…。




直人「好きなら怯むな。」


「えっ？」


直人「大丈夫。大丈夫だから。頑張れ！」


「…うん。」




そっか…もう前に進むしかないんだ。

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