信じてもいいですか？ [４]

175 樹side ページ19

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都内に戻ってきたはずなのに、


仕事だったり学会のレポートで


忙しいっていう理由で1週間会えなかった。







そして今日、久しぶりにAに会える。


複雑な気持ちのまま家に帰ると、


おかえりなさいって出迎えてくれたA。




あぁやっぱり俺はAが好きだ。


この笑顔を見ると安心する。




「もう少しでご飯できるよ。」


樹「うん。」




甘えてくるマースを撫でながら


ご飯が出来るのを待った。



マースを抱きかかえてキッチンに行くと、


もう出来るよって言ったAに違和感を感じた。




樹「…ブレスレットは？」


「ん？あー家にある。急いでて忘れてきちゃった。」


樹「…。」


「ん？」



いつも身につけてくれてるはずのブレスレット



…今まで忘れてきたことあったっけ？




またモヤっとしてる…。




「さぁ食べよう。」


樹「うん。」




2人で手を合わせて、


久しぶりに食べたAの料理は美味しかった。



いつも美味しいけど。





樹「…。」


「……？」


樹「…。」


「…口に、合わなかった？」


樹「えっ？」


「いや、何となくいつもと違うから。」


樹「別に。美味しいよ。」


「……なら、いいんだけど。」


樹「…。」


「…。」






いつもより口数の少ない俺ら。



重たい空気の中、箸を置いたA。




樹「えっ…」


「私…なんかした？」


樹「…。」


「ブレスレット、つけ忘れたから怒ってるの？」


樹「いや…。」


「とってきた方がいい？」




今にも泣きそうな目で俺を見るA…。




「久しぶりに会えたのに…こんなのやだ。」


樹「…。」


「何？私なんかした？」


樹「ごめん。」


「…。」


樹「…。」


「早く樹に会いたくて、昨日まで、仕事終わって
残業でレポートも早く終わらせたのに…。
ずっと連絡出来なくて寂しかったのに…。」


樹「だからごめんって。」

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