信じてもいいですか？ [４]

174 樹side ページ18

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朝、



“ 今から新幹線に乗ります。 ”



そのLINEが送られてきてから、


LINEが既読にすらならない。




院長と副看護部長と常に行動を共にするらしく、


携帯は見れないって、事前に言われてた。



朝からお偉いさん達と一緒で、


学会発表が終わったあとも、接待飲みがあるらしく…


携帯を見る暇はないって。



泊まる所も副看護部長と同じ部屋らしく、


気を使ってホテル内でもいじれないと思うって。




だから聞きたくても聞けないし、


今Aがどこで誰と何をしてるのか…


全く分からない。




彰吾「地獄の旅行だね。」


樹「そうっすね。」


彰吾「まぁその学会発表？が
嘘で違う男と旅行だったら、
楽しんでるだろうけど。」


樹「…。」


彰吾「ふっ。絶対ないって。」




絶対ない。



分かってるんだけど、


色んなことの積み重ねで


不安ばかりが強くなっていく。




待ち受けのことも研修医のことも、


そもそも本当に、


これが学会発表の出張なのかも疑ってしまう。





それほど俺はAが好きで余裕が無い…。



今までこんなふうになったことないのに。





夜、お疲れってLINEしたけど、


朝になっても既読にならなかった。





今日帰ってくるんだよな。


でも俺が深夜まで仕事だから会えない。





3日間くらい会えないのはよくある事なのに。





“ 今帰ってきたぁ！お土産家に置いとくね ”



撮影の合間に携帯を見ると


22時過ぎにAからLINEが来てた。




樹 “ おかえりなさい ”




返信したけど0時を越えてたから、


寝ちゃってるだろうな。




撮影が終わって家に帰ると、


テーブルに鹿児島のお土産が置いてあった。




鹿児島に行ってたのは本当なんだ。




って俺何疑ってんだろ…。

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