信じてもいいですか？ [１]

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………にしても帰らなさすぎじゃない？


気付いたら結構いい時間になってた。



「…帰らないの？」


樹「もう少ししたら。」


「…そっ。」




よく分からない人だ。


何がしたいんだろう？



遊び人の割には手を出してこようとしないし。


そもそもそんな雰囲気にもならないし。



そしたら、出て行って！って強く言えるのに。




樹「あっ、そうだ。LINE教えてよ。」


「えっ…。」


樹「電話だといつ掛けたら出るか分からないし。
だからLINE教えて。」


「…別に…いいけど……良いの？」


樹「えっ？」


「もしかしたら、私、樹くんの連絡先を
誰かにバラすかもしれないよ？
SNSに書き込んじゃうかもしれないよ？いいの？」


樹「ふふっ。Aちゃんはそんな人じゃないよ。」


「…。」



まだ数える程しか会ってないのに、

私の何を知ってるんだろ。



どうなっても知らないからねって言いながら

私のLINEのQRコードを見せた。



樹「送った。」


「…うん。」



猫のスタンプが送られてきた。



樹「さっ、帰ろっかな。」



立ち上がった樹くんが

カバンを手に取って玄関へ向かった。


見送るために後ろからついていった。



靴を履いて振り向いた樹くん。




樹「誕生日おめでとう。」


「えっ！？」


樹「0時。なったでしょ？」


「…うん。ありがとう。」


樹「1番におめでとうって言いたかったから。」





「…………チャラっ。」


樹「ふはっ。ひどっ。笑」


「…。」


樹「じゃ、おやすみなさい。」


「おやすみなさい。」




パタンとドアが閉まった。




…それを言うためだけに残ってたの？



悔しいけど、不覚にもキュンとしてしまった。



遊び人なのに…



…果たして遊び人なのかな？


手を出してこないけど…。




本当に分からない人だ。

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