信じてもいいですか？ [１]

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ごちそうさまでしたって、

今日も完食してくれた樹くん。


凄いなぁ。


美味しくなかったら残してよかったのに。



食器を洗い終えて、

樹くんの座るソファの隣には座らず、

ソファを背もたれにして床に座った。



「…。」


樹「…。」



自分で電話して家に来たくせに何も話さない樹くん。



無理に話されても嫌だけど。




明日のご飯のことで

先輩からLINEが来て返信していた。



チラッと樹くんの方を見ると、

樹くんも携帯をいじっていた。




………なんで私の家にいるんだろう？



やっぱり疑問でしかない。




「あっ！」


樹「ん？」


「いや…甘いもの好き？
っていうか、まだ食べれる？」


樹「うん。」


「ケーキ…もらったんだけど食べる？
あっ、でもあれか。食事制限とかしてる？」


樹「いや、食べたい。」


「待ってて。」



先輩とLINEをしていて

冷蔵庫にしまったケーキを思い出した。



冷蔵庫を開けて白い箱を取り出して開けると

ショートケーキが2つ入っていた。



皿に移したケーキとお茶を持ってソファに座った。



「はい。」


樹「いただきます。」



パクッとケーキを食べた樹くんが

美味いって微笑んだ。



「甘いもの好きなんだね。」


樹「うん。好き。」


「これ、先生が研修の帰りに買ってきてくれて。」


樹「へぇー。」


「まぁ先輩が無理やり買ってこさせた
って言った方が正しいんだけど。」


樹「なんで？」


「明日私の誕生日なの。
だから、先輩が先生に買ってきなさい！
って言ってくれて。」


樹「…。」


「贅沢だわ。」


樹「おめでとう。」


「ありがと。明日だけどね。」




ケーキも食べ終えて、のんびりしている樹くん。



携帯をいじってるだけだし、

それなら家に帰ったらいいのに。


明日も仕事らしいし。




でも不快じゃないんだよなぁ…。



何を話すでもなく、

こうやって隣に座ってるだけなのに…。



きっと今、私が参考書を広げても

何も言ってこないんだろうな。



…広げないけど。

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