二十四枚目 ページ26
沖田side
月が好きなのか、と聞かれた。
「……綺麗な月には嫌な思い出しかねぇ。嫌な事しか思い出さねぇ。
…………だから、俺ァ月が嫌いなんでィ」
ただの気まぐれで、答えた。
ただなんとなく、Aにそう言った。
多分、どんな思い出なんだ、とか、大丈夫? とか聞かれるんだろうな、と思いながら。
けど、
「そー」
気の抜けた、心配の欠片もない声。
正直、それで良かった。
俺は、近藤さんみてぇにお人好しじゃねぇ。
面白そうだから土方さんにあぁ言ってやったが、まだコイツを信用してる訳じゃない。
仲間っつーのは、簡単になれるモンじゃねぇからな。
もし、Aに余計な心配なんてされたら、鬱陶しくしか感じなかったと思う。
それから、また沈黙。
元々沈黙なんて気にしない性分だが、コイツとの静かな空間は嫌いじゃない。
どこか心地良さすら感じた。
近藤さんと出会った道場や、真選組のような心地良さ。
そんなことを感じたのは久し振りだった。
だからだろうねィ。
なんか、コイツのことが気になった。
「…………おめぇはどうなんだよィ……」
「ん?なにが?」
「おめぇは、月。好きなんですかィ?」
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萠詠(プロフ) - 初作品なので、そう言ってもらえるとすごく安心します!アニメ星の宇宙人さん、ありがとうごさいます! (2017年6月10日 21時) (レス) id: d99dc85054 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ星の宇宙人(プロフ) - 夢主ちゃんの性格とか色々どストライクでしたっ!更新頑張ってくださいね!! (2017年6月10日 20時) (レス) id: 12c43eea60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萠詠 | 作成日時:2017年5月31日 22時