血濡れの桜は見廻組総長でした

十枚目 ページ12

貴女side


ふむ。

真選組の皆さんは、相当なお人好しのようだな。


公ではないけど、言い方を変えれば敵とも言える見廻組である私を、すんなり受け入れて、

「今日から俺達の仲間だ」

なんて。


いや、まだ府に落ちてない奴も居るな。

あの、瞳孔かっ開いたV字。

多分、アイツはここの頭脳だな。


佐々木さんは自他共に認めるエリートで、見廻組が倒れないように、自分の能力で隊をまとめ、支えてる。


けど、真選組の局長、ゴリ……近藤さんは、明らかに佐々木さんとは違うタイプの大将だ。

度の過ぎたお人好しだからこそ、その器と志、人柄に惚れ、付いてきている人が殆んどだと思う。


でも、そのお人好し故に大将と隊が共倒れ、なんてこともあり得る。

それを、未然に防ぐ、大将と共に隊を支える頭脳。

それが、このV字だ。多分。


「近藤さん。入って来るやつがこの女なら話は変わるが問題も変わるぞ」

「コイツは事実上は見廻組。
いっちゃぁ悪ィが、アイツらと俺達じゃやり方からなにまで違いすぎる。

コイツが真選組に入ることで、これからの仕事をうちがやりにくくなる事だって考えられねぇ話じゃない」


…………いや、この人もかなりのお人好しだな。

私が真選組に、自分達の仲間になることを前提に話してる。


ふーむ。

見廻組と正反対過ぎて同じ警察なのか疑いたくなるぞ。


「けど、Aちゃんは…………今から仲間よ？俺達が困るようなことにはならないと思うけどなぁ……」

「……近藤さん、アンタお人好しにも程があるぜ」


…………うん。話が進まん！


「その事なら問題ありませんぜ、土方さん」

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