金塊探しの旅～陸～ (ページ1)

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白「それで…アイヌが隠したっていう場所はわかったの？」

サムルは座って川を眺めていた(心を落ちつかせるため)

海「……さぁどう思う？

確かに埋蔵金に近づくことは出来るが近いからって
簡単に見つけられるような場所にのっぺらぼうが隠すとは思えねぇ
懐に入れたはずの小銭だって見つからない時もあるだろ？」

すると海賊は杉元と白石の肩に手を置いて

海「だからよ手を組まねえか？
シライシは面白いから好きだったんだよなぁ、
杉元みたいな強い男はもっと好きだ」
白「揉めるぜ〜？分前で」
海「上級の家臣はどうだ？俺の国の」
杉「また訳の分からんことを言うやつが現れたな」

海賊の言葉にサムルは川から海賊に視線を移した

海「どこか暖かい東南アジアの小さな島で俺は王様になる！！
果物作ってよその国に売って通貨には俺の顔が刻印されたりな！」

海賊はサムルの方を見ながら

海「子供をたくさん作って俺の家族の国を作るんだ
いいだろ?」
白「いっつもそれ言ってたなぁあんた…
はは…」
杉「なんでみんな国なんてそんなでかいものを背負いたがるのかね」
海「杉元…家族は？」
杉「ああ？別にいねえけど」
海「兄弟もいないのか？孤児か？捨て子か？」

杉「うるっせぇ質問野郎だな、ズケズケと」
海「どのみち週店の江別まで逃げ場はないんだから
お互いもっと知り合おうぜ」
杉「俺が興味があるのはお前の持ってるアイヌの情報だけだ」
海「ひょっとして家族全員殺したとか？」
杉「……」

沈黙が続く

白「え？殺したのか？」
杉「殺してねえよ」
杉「…結核だ

いいんだよこの話は」

家「じゃあわかるだろ？俺の家族も全員疱瘡にやられたんだ

地元の皆が俺と俺の家族を疎んで……

誰も話しかけない

触れてもくれない

故郷に居場所はなくなった

だから子供心に思ったね
俺の国を作れば誰も俺を追い出せないって」
白「王様ねぇ…ははは」
杉「夢を持って前向きに！
いつ自分が疱瘡にかかるか怯えて暮らすのは止めにしたのさ、
そのおかげか俺にだけは感染しなかった
気持ちで跳ねのけたんだな！」

杉元は一点をみつめ、何かを考えている様子だった

『……(杉元、)』
海「金塊を見つけたら杉元は自分の幸せのために何をするつもりだったんだ？

何か夢はないのか？」
「海賊さん！江別に着きます！」

強盗の一人がそう叫んだ
海賊は下の船内へと行ってしまった