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天高く3-9(10) ページ11

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「!?」

 もう少しでカフェラテを藤ヶ谷さんに吹き付けるところだった。

 藤ヶ谷さんを見ると、唐突で迷惑な質問に面食らっているようだ。

「えっと…告白というのは、お付き合いをするというお話、ですよね?」

 マイコを見ながら言葉を選んで訊ね返す。

「お客様からでしたら、お気持ちは嬉しいとまずお伝えしますね。でも、一店員とお客様という立場上、お付き合いは難しいと、その場でお答えすると思います」

 ごもっともな答えに、私は心の中で盛大な拍手を送った。

「じゃあ、知り合いからだったらどれくらい時間をかけますか?あ、自分が告白される側だったら、どれぐらい待てるかでもいいです」

「マイコ、その辺で…」

 ぐいぐい行くマイコを止めようとしたが、藤ヶ谷さんの方からOKが出た。

「良い返事なら、正直、早く欲しいですね。でも、急かすより、きちんと考えて欲しいと思う方なので一週間ぐらいは待つと思います。それより長くなったら、脈がないと一端引き下がりますね。たぶん」

 マイコと二人、藤ヶ谷さんの言葉になるほどと頷いて返す。

「すみません。他のお客様がお呼びなのでここで失礼します」

「忙しいところ、呼び止めてごめんなさい」

 藤ヶ谷さんは笑顔で立ち去る。ただでさえかっこいいのに、神対応されたら、いよいよ沼にダイビングしそうだ。

「ほら、やっぱり一週間」

「そうだけど、店員さん忙しいんだから、巻き込むのは」

「すみませーん!」

頼むから、人の話聞いてー。

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作者名:lettuce | 作成日時:2023年1月28日 0時

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