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「こちら、"パプリカのTwo as One "です。こちらのソースはお好みでかけて召し上がってください」
"パプリカのTwo as One "は、赤とオレンジのパプリカが一対ずつあり、こんもりと肉が盛り上がっている。ナイフを刺した瞬間に肉汁ぶわぁーってなりそうな、絶対美味しいやつ。
「こちら、"パンプキンドームの約束"です。
器は食べられますが、蓋は観賞用となっておりますのでご注意ください」
小ぶりなカボチャをそのまま器にしたシチューは、器に顔まで彫ってある。流石に、シチューがこぼれない程度にしているようだが、ハロウィン気分を味わうには十分だ。
「美味しそう!」
「さっさと写真撮って食べよ!」
「そうしよ!」
「ごゆっくりどうぞ」
アラジンが手を振りながら去っていくから、私もつられて手を振った。
フランクすぎて不思議な人だわ。
冷めないうちにお料理を写真に収めると、待ってましたの「いただきます!」
見た目以上の美味しさに舌鼓を打つ。
「やば、これめっちゃ美味しい!」
「私のも、ほっぺた落ちる〜」
「ほっぺた落ちたら怖いでしょ」
「いいのー。美味しいから」
「はいはい」
「うまい、うまい、うまい、うまいっ!」
「れんごくさん、そろそろ落ち着いて!」
顔を見合わせて笑う。
美味しいものを食べて、楽しくおしゃべりして、なんか幸せ。
「はぁ〜、美味しかったねー」
「最高、最幸!」
テーブルの端にお皿を寄せて、手元を空ける。
「スイーツ持ってきてもらおっか」
「そうだね。今度は誰が来てくれるかな」
「私、アラジン。Aは誰だと思う?」
「太輔さん」
「早っ」
太輔さん、かっこよかったし。
「そういえばさ、さっき、太輔さんと赤ずきんちゃんがどうとか言ってなかった?」
「あ!忘れてた」
マイコが笑う。
「なんかね、2人ともお店に出てるのに、一緒に撮ってもらった人が初日だけらしいの。それで、この2人のツーショットって激レアじゃない?って話が出てて」
店に入ってから何組か撮影してるのを見かけたけど、たしかにその2人は見てない。
たまたまなのか、意図的になのかは、今日初めて来た私にはわからない。
「じゃあさ、スイーツお願いする時に、赤ずきんちゃんと海賊さんがいいです、ってお願いしたらいいんじゃない?」
私が何げなく言うと、マイコははたと手を止めた。
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作者名:lettuce | 作成日時:2022年9月11日 2時