佐久間side ページ3
A「出発しますよー、シートベルトしてくださーい？」
佐阿「「はーーい」」
仕事が終わって阿部ちゃんの楽屋に行ったら、なんかおっもーーーーーい雰囲気が流れていて。佐久間さん流石に空気読んだよ…
聞けば宇治原さんとの賭けに負けたそうで。賭けなんて珍しいけど、勉強ノートのためなら仕方ないなと言うか、阿部ちゃんらしいなって思った。
俺ならそんなノートのために賭けないけどね！
車に乗り込んでからも、発進してからも、阿部ちゃんを宥めるのに必死！Aちゃん運転慣れてないから流石に小声で話すけどさぁ、今日は小さい車だし絶対聞こえてるじゃん。チラチラミラーでこっち確認してるし。
もーそろそろ機嫌直してよ！
A「阿部さん、もう着きますよ、用意してください」
阿「あっ、はーい」
そうこうしているうちに車は阿部ちゃんの家に着いて、Aちゃんから声がかかる。コートを着て、鞄をもつ手にはノート…？あれ？
A「阿部さん、ノートは私のですよ」
阿「えっ？くれるんじゃないんですか？」
A「は！？いつのまにそんなことになったんですか」
阿「いいじゃないですか、読み返さないでしょ。アウトプットしたら満足って言ってたし」
A「だめですよ、そのノートまだ使いかけなんだから！」
阿「じゃあ完成したらくださいね、約束！ではお疲れ様でしたー！」
A「えっ…」
佐「やられたね、Aちゃん」
でたよ、阿部ちゃんの策士部分が。あーやってうまく言いくるめるんだよねー、人を！俺らも何回やられたか…頭いいんだもんほんと！
佐「阿部ちゃんはね、あーゆー所あるんだよね」
A「はい？」
佐「基本的には落ち着いてるしさ、空気読んで行動してくれるんだけど…こう…なんかスイッチが入ると、我が道をいくというか…」
A「あー…今回もそうでしたね」
佐「そうなんだよねー…AB型だからなのかわっかんないけどさ、ごめんね」
A「いえ…正直あんなタイプとは思わなかったので驚きましたけど、ノートは埋めたらもう見ないってのは事実なので…大丈夫です」
佐「ありがとー。阿部ちゃんはさ、勉強が自分の強みであり個性だって考えてるからさ、特に勉強のことになると熱中しちゃうの。ごめんね」
A「大丈夫ですよ、有り難うございます」
優しいなぁ…大丈夫って言ってはくれてるけど…これが続くとさすがに辛いよね…
佐「Aちゃん、LINE教えて」
ま、これしかないかな。
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作者名：まめ
| 作成日時：2022年11月1日 21時
