Act.7 ページ9
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車を走らせて家に着いた。軽くつまみを作りお酒も飲み始めて三人ともほろ酔いになり始めた頃に、あたしは愚痴を溢した。
「そもそも!!好みでもなんでもないやつに優しくするのは社交辞令だって分かれや!!女は基本何考えてるか分かんねえんだからな!!!!」
「Aちゃん?酔っ払いすぎじゃね?」
「酔っ払ってない!少ししか!」
「あーはいはい…。前野ごめんな普段はこんなじゃないんだけど、相当鬱憤溜まってるみたいだわ。」
「まあ面倒なのに捕まるとねぇ…。」
そんな会話を横で聞きながら5杯目のウイスキーを入れ始めた。ほんとに少ししか酔ってないんだけど、少しフワフワするぐらい。ちゃんと歩けるし呂律もしっかりしてる。
「てかさ、こんなのにストレス溜めてる場合じゃないんだよね?いっそ好きな人いますーとか彼氏がいるんでーとかで逃げればいいかな?」
「あー、確かにいい手かも。あの人、既婚者とか彼氏持ちにはいかないよね。」
前野さんからいい事を聞いた。
「ほんと?じゃあ架空の彼氏作んなきゃじゃん!」
「いや架空だとばれんでしょ。……俺はどうよ?ちょうどフリーだし?Aの彼氏にはうってつけじゃない?」
え、と横を見ると結構近い距離で達央が真剣な顔であたしの顔を見ていた。目力強いのにそんなに見つめられたら穴空くってと、関係ない事を頭の片隅で思ってしまった。
「……達央はないなー、無理(笑)」
「なんでだよ!!!」
「アハハハ!!たつー!振られたな!!慰めてやろうか!!」
「うるせえよ!!あ、A!!ビールねえんだけど!?」
「は!?自分でとってこいよポークピッツ!!」
「はぁ!?そんなにちっちゃくねえし!!なんなら見せてやろうか!?」
「汚いもん見せようとすんな!!ビールとってくる!!」
ズボンのベルトに手をかけて本当に下そうとする達央を止めるでもなく、ゲラゲラ笑いながら見ている前野さんも多分だいぶ酔っ払ってるはず。
だから大丈夫なはず。
ビールを取りに行くって言って冷蔵庫を開けて、冷気で顔を覚ますあたしに気付かないはず。
(いやいやいや。あの達央だよ?変態大魔神声優の鈴木達央ですよ??ありえない。あたしの好みはよーくなんだけど?
あんな真剣な顔であのセリフはありえない!!!)
達央に手渡したビールはプルタブを開けた瞬間に泡が顔目掛けて吹き上げたのを見て、またあたし達は爆笑した。
仕返しだ、バーカ。
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mameiyiteng3(プロフ) - りるとさん» ご指摘ありがとうございます、早速直させていただきます!申し訳ありませんでした。 (2020年2月14日 17時) (レス) id: a55d9f83ab (このIDを非表示/違反報告)
mameiyiteng3(プロフ) - Riさん» 遅くなり申し訳ありません!ご指摘いただきありがとうございます。曜日が確かに間違っていたので、直して掲載しております。申し訳ありませんでした。 (2020年2月14日 17時) (レス) id: a55d9f83ab (このIDを非表示/違反報告)
りると - act33にある宮野さんの名前の漢字なんですけど守じゃなくて真守なので直した方がいいかと思います。とても面白い作品なので楽しんで読んでいます。 (2020年2月14日 0時) (レス) id: 615da3bcde (このIDを非表示/違反報告)
Ri(プロフ) - act.30くらいで夜遊びの曜日なのですが、安元さんと江口さんが出ていらっしゃるのは、火曜日ではなく月曜日ではないでしょうか?お話、とても面白いです。 (2020年1月26日 11時) (レス) id: 6e0fe8bfcb (このIDを非表示/違反報告)
mameiyiteng3(プロフ) - misteriascatさん» ご指摘ありがとうございます。23話を非公開の状態にしていました…。 (2020年1月3日 21時) (レス) id: a55d9f83ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきら | 作成日時:2019年12月8日 19時