楽器隊なのに声優やるの？

Act.4.5 ページ6

(本番でのNO NAMEの曲終了後のお話しになります。読んでも読まなくても大丈夫かと思います。)





曲が終わった。歓声と拍手がすごい。

みんなの表情は歓喜、戸惑い、尊敬が見えてとれる。



肺に残っていた息を全部吐き切る。心臓を落ち着かせて観客を見る。


肩にかけていたギターを左手に持つ。




「初めまして。私達がNO NAMEです。」




左手を横に伸ばし右手はお腹に当てて軽くお辞儀する。
さあ、ワタシ達はNO NAME、名無しだ。名前のないピエロだ。


認識こそがワタシ達の存在意義。


認めさせてやる、ワタシ達を。


ワタシ達の音楽を。





ワタシを。





顔を上げてまた観客を見渡す。何を言うのかと緊張感漂う雰囲気もあるように思う。


「…そして、声優を務めさせていただきます、ギターボーカルのAkiraです。

…うたのプリンスさまの中に春歌や友千香以外の女の子のキャラは、ゲームからアニメになっても登場していません。皆様の中には複雑な気持ちをお持ちの方も多いと思います。すぐに受け入れられるものではないことも知っています。
皆様の好きなキャラに、ほかの女の子キャラが近づくのなんて嫌、という方もいらっしゃると思います。

私の目標は、皆様に認めてもらうことです。キャラとしてもAkiraとしても。好きになるのって簡単じゃないと思うんですよ。だから、認めてもらうのが第一目標です。
もちろん、好きになってもらえればと思いますけど、今は存在を認めてもらえればいいかなと思っているので…。

まあきっと、皆さんは私達の事を好きになってくれるって思ってるんで、目を離さず見ていてくださいね。


NO NAMEもAkiraもうたプリも、これからも精進して行きますので、よろしくお願いします。」





そう、確信がある。みんな私達の虜になるって。だって音楽聴いただけでその顔なら、みんなすでに私達の事好きでしょ？



あたしの性格？悪いに決まってるじゃん。








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