楽器隊なのに声優やるの？

Act.46 ページ49

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暗転と同時に歓声。


その間にあたし達は楽器のある位置に移動する。そんな中でもあたし達の声を呼んでくれるオーディエンス。




「We are,NO NAME」




一曲目はあたし達NO NAMEの代表作から始める。シットリバラードから入り、一気にロック調に走るナンバー。
一気に観客をあたし達の世界に連れて行く。

休む間も無く２曲目。これぞオルタナティブロックという曲になってる。テンションを更に上げさせていく。休ませない、落ちさせない。



モット、モット



噛み付いて離さない



ここにいる観客みんな、誰一人として、離さない。最後まで連れて行く。そんな事を思いながら３曲目、４曲目と続いた。
ここでやっとＭＣに持っていく。


「皆さんこんばんは、NO NAMEのライブにようこそ！」


４曲でテンションの上がったオーディエンスから、また名前を呼ばれる。今度は笑顔で手を振って返した。


「皆様もう知っていらっしゃると思いますが、先に自己紹介をさせて頂きます。
Gt.Vo.のAkiraです。よろしくお願いします！そして！」

「Bs.担当のTenです、今日のライブ、お前らの一生の思い出にして帰すから。そして？」

「Dr.のSakaです。男も女も関係なく、騒ぎ倒そうぜ！」



「今日は、イイコチャンで帰さないから。覚悟しといて？」



ＭＣが終わり次の曲に入る。オルタナティブロックとは変わり、少し可愛い感じのするオルタナティブポップに切り替わる。少し可愛こぶって歌うのがポイント。
６曲、７曲、８曲、９曲と続けていく。


「あっちー！！みんな水飲んでねー？」


ここまで誰も箱から出ることなく、無事に出来ているのを確認してる。でもこれだけの人数で暴れていれば上は蒸気で白くなっている。あたし達も水を飲みながら２度目のＭＣをする。


「あ、そういえばみんな飴とホッカイロ受け取った？」

「もらったー！」

「ありがとー！」

「みんな、物販早くから並びすぎじゃね？ってなって、来る前にスーパーで買って来たんだよ。オレらのライブに来て風邪引きましたーってのは、無しだかんな？」

『ハーイ！』

「返事だけはいいよなぁ！(笑)」


こんな掛け合いもしながら２度目のＭＣも終わる。
また曲に戻り、３度目のＭＣに入った時だった。


「ここからはー、オレが仕切ります！」


天が突然そう言い出した。これ、リハーサルの時と流れ違うんだけど。混乱してるあたしを他所に天は言葉を続けた。



「Akira、happy birth day！！」




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