楽器隊なのに声優やるの？

Act.43 ページ45

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昔も今も変わっていない。変わったのは、草刈りされて短くなっているくらいだろうか。

イヤホンを取り外の音を聞く。都内なのにここはいつも静かだ。遠くで車の音が聞こえるぐらいだ。
あいつとの事を思い出しながらきたから、あの時頻繁に歌ってた歌を歌いたくなった。



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「あっ、A！あの、その…」

「んー？何？」

「図々しいけど、最近A、人気出てきたじゃんその前に、その…歌を送ってもいいかな…？歌って言っても歌詞だけなんだけど…！」

「歌？くれるの？」

「あげるんだけど…！その、歌詞が出来たら、オレと……結婚してくれませんか！！」


びっくりした。まさか、プロポーズされると思わなかった。この人と一緒なら楽しそうとか、そんな事を思っていたことも確かだから、嬉しかった。でも感情が付いていかず放心していると、勘違いされてダメだったのかと思われた。


「だ、ダメだよね…そうだよね…。」

「ダメじゃない！嬉しい！け、結婚、します…。」


思わず結婚という言葉に照れてしまって、尻すぼみになってしまった。結婚…と顔を俯かせて噛み締めていると勢いよく抱き締められた。


「やったぁ！！！歌詞作るからね！！早めに渡すからね！！結婚しようね！！」


すごく嬉しそうな声が頭の上から聞こえて、すごく早い鼓動が耳に響いた。すごく、緊張していたんだなと思ったら、なんか嬉しくなって泣いてしまった。



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あの時は、あたしも返事をするのにすごく緊張していたのを思い出した。あ…、そうか、あの鼓動と嬉しさが音に出てなかったんだ。

ああ、音が聞こえる。あの歌詞に合う音。
帰って音を、色を付けたい。

そう思ってあたしは走って帰った。



もう、世界はモノクロじゃないよ。あなたがくれたあの絵のあたしみたいにカラフルになったんだ。





「ありがとう、ーーー…」




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