楽器隊なのに声優やるの？

Act.35 ページ37

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「Aはさ、達央のこと好きじゃないの？」

「っゴホッ！ゴホッ、…はぁ！？」


お酒が進んでないなーと思ってたけど、まさかの真守の発言にハイボール吐き出すと思った。無理やり飲み込んだらむせたし。なに突飛なこと言い出したこの芸人は！？


「達央と付き合い長いじゃん？男女間の恋愛にならないの？」

「達央のことそんな目で見てないもん。てか、達央とどうなりたいとか考えたことなかったし。」

「んー…、俺から言わせてもらうと、Aとタツはええ関係やと思うで？結婚しても関係変わらず出来そうやなって思うんやけど。」

「……鈴村さんまでなんですか、そんなにあたしと達央くっつけたいんですか。」


この二人はなんなんだ。ただのお節介で、ここまで言うということはないと思うんだけど、なんかイラっとするな。先輩だから下手なこと言えないけど、お酒の入ってるこの場合は自制が効くか分からない。


「くっつけたいっていうか…、A、キャラソン作った時にスタッフに告られたやろ？」

「なんで知ってるんですか！？」

「え！？そうなの！？」


待って、まじでなんで知ってるの？うたプリでのキャラソンを発売すると決まり、収録を行う時にアニメの現場でよく会っていたスタッフさんがその場にいた。この現場まで見にくるんだー、とその時はそう思っていたが、どうやらあたしに告白をするために来たということ。
もちろんお断りはしたけど。ちなみに、ご飯行こうよーと言っていた人とは別の人です。


「知ってるのは本当に一部やと思うで？そのスタッフが、仲のいいスタッフに話してるのを、俺が偶々聞いてもうて知ってるってだけやし。そんなことにもなってるんやから、誰かとくっついといた方がええんやないのって事。」


なるほど。この反応を見るに真守も知ってるな。大型犬が怒られないかなって心配そうにご主人をチラチラ見ているのを想像して欲しい。まさに、隣のでかいやつが今その状態なのだ。


「後あれやろ？ご飯行こうよーって、しつこく誘われてたこともあったんやろ？」

「情報通か！！真守、鈴村さんに話した！？」

「だってー！Aが心配なんだもん…。」

「くっそ可愛いな…。怒らねえよ…。」


180以上あるやつが、背中丸めてシュン、てしてるのはさすがにずるいと思う。可愛い。くそ、ずるい。
知らないのはひろくんだけで、信じられないというようにあたしたちの話を聞いてる。


「…達央に関わらず、あたしは誰とも付き合う気はないですよ。」



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