Act.15 ページ17
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「Aー!!おめでとう!!」
「さすがじゃん。」
迎えてくれた坂さんに褒められ天には頭を撫でられたけど、全く実感が湧かない。
本当に合格した?え?証拠ある?これ夢?
まだ実感が湧かず確かカバンに書類を入れたはずと出した紙には、やはり合格した時の書類が入っていた。
「夢じゃない……。どうしよ…。」
「夢なわけないだろ。ほら。」
「いひゃい…。」
書類を見て固まるあたしのほっぺを天が引っ張る痛みに夢じゃないと思い知り、憧れのマクロスに携われると思うと、涙が溢れてきた。
そんなあたしを見た天はふ、と笑うとあたしを抱きしめてポンポンと頭を撫でてくれて。
「おめでと、A。」
「っ……天っ、うぇ…っやったぁ…!」
久しぶりに天に抱きついて泣いた。嬉しさと安心とこれからの不安と、色んなものが押し寄せてきて涙はしばらく止まらなかった。
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「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」
合格発表から数日後、早速とマクロスについての話し合いが行われた。
会議室にあたしと担当の方、坂さんの3人がいる。
「先にAkiraさんに謝っておかなければならない事があります。」
「え…謝る、ですか?」
え、何。やっぱこの話は無しにってなるやつ?と不安そうに担当さんを見ているとあちらも焦ったように手を振った。
「あ、大丈夫ですよ!話が無しになるわけではないので!いえ、Akiraさんには歌唱パートだけではなく、声優もお願いしたいのです。
もちろん理由はあります。Akiraさんが歌った時の歌い方、声がまさにマリーそのものに見えたのです。声優のオーディションもやったのですがあなた以上にマリーだと思う人がいなかったのです。
本来ならマクロスは歌唱と声優を分けて演じてもらうのが定例だったのですが、今回はAkiraさんお一人にマリーをしていただきたいのです。」
「どちらも、ですか…?え、むしろいいんですか?」
「もちろんです!私たちはAkiraさんにお願いしたいのです!」
思わず坂さんを見た。坂さんは真剣な顔をして担当さんを見ていたが、
「ん…まあ、これなら、無理なくできるかな…。分かりました。こちらこそ、よろしくお願いします。」
「…!!お願いします!!」
マリーの声も歌も、どちらも担当出来るなんて、一生分の運を使い切っちゃったのかもしれない。
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mameiyiteng3(プロフ) - りるとさん» ご指摘ありがとうございます、早速直させていただきます!申し訳ありませんでした。 (2020年2月14日 17時) (レス) id: a55d9f83ab (このIDを非表示/違反報告)
mameiyiteng3(プロフ) - Riさん» 遅くなり申し訳ありません!ご指摘いただきありがとうございます。曜日が確かに間違っていたので、直して掲載しております。申し訳ありませんでした。 (2020年2月14日 17時) (レス) id: a55d9f83ab (このIDを非表示/違反報告)
りると - act33にある宮野さんの名前の漢字なんですけど守じゃなくて真守なので直した方がいいかと思います。とても面白い作品なので楽しんで読んでいます。 (2020年2月14日 0時) (レス) id: 615da3bcde (このIDを非表示/違反報告)
Ri(プロフ) - act.30くらいで夜遊びの曜日なのですが、安元さんと江口さんが出ていらっしゃるのは、火曜日ではなく月曜日ではないでしょうか?お話、とても面白いです。 (2020年1月26日 11時) (レス) id: 6e0fe8bfcb (このIDを非表示/違反報告)
mameiyiteng3(プロフ) - misteriascatさん» ご指摘ありがとうございます。23話を非公開の状態にしていました…。 (2020年1月3日 21時) (レス) id: a55d9f83ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきら | 作成日時:2019年12月8日 19時