らくがん【宮治】

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治side



楽しい時間はすぐに過ぎるな



待ちに待った結婚式


語弊なんか気にしてられへん





Aちゃんに会えると思うと

なせが嬉しくて、なんでもできそうな気分になって




そんな毎日が、楽しいんや





今日が終わっても、次の楽しみができたらええなぁ





「あんたら、ちゃんと寝癖も直しや」



オカンが真剣に化粧しながら、俺らを見ずに言った


二人して空返事をして、スーツに袖を通す




制服でええのにな…って思ったけど



スーツなんてこの先絶対必要になるんやから
1セットくらい持っとき


そう言ってオカンが二人分買ってくれた




やばない？一気に二人分やで


大奮発やん








Aちゃんも、バッチリ化粧やらオシャレして来るんやろうか



…楽しみやな




この緩みきった顔は、どうにも抑えられそうにない









式場に着くと、もうみんな集まっとった





真っ白なドレスを身に纏う陽ちゃんの近くに

着物姿のAちゃんを見つけた





あれ、今日、眼鏡かけてへん

前より幼く見えるな…





Aちゃんも俺らに気がついたようで、

こっちに向かってきてくれる






『おはよう。今日はお姉ちゃんの結婚式に来てくれてありがとね』


ニコッと笑う彼女に、俺は

「眼鏡…」

としか返されへんかった



少し驚いたように笑うAちゃん


『今日は特別な日だからね』

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