らくがん【宮治】

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治side



昼休み、部活前、部活後


しょっちゅうAちゃんに会いに行っとる気ぃするわ

まあ事実なんやけど




俺は作戦を変えた


助けてって言わせたいんやない


ちゃんとした恋愛をしてほしい

幸せになってほしい



せやから、俺の正直な気持ちをぶつけたんねん



愛されることに慣れてほしい

今の異状に気づいてほしい


そのうえで、どっちがええかを選んでほしい



俺の思い通りにさせたいわけやない、からな…


…響いてるかは、わからんけど





今日は金曜日や


もしホテルの場所まで特定されてるんやったら、

二連休なんてAちゃん地獄やろ



もし、もしも助けを求めてくれるなら………







「治、なにしてんの。部活行くよ」


「…おん」


「またいとこのとこ行ってたの？」


「…おん」


「…上手くいくといいね」



どういう意味での"上手くいくと"なんかわからんかったけど


たぶん、角名は俺が思うより気づいとるんやろうな


今の言葉に冷やかしなんて一切感じんかったし





「あ、北さん。…北さんて、なにか知ってるのかな」


そんな角名の呟き


「なにが？」


掘り下げようとするとバツが悪そうな顔をして目を逸らした


「あ、いや…治たちのいとこ、北さんのクラスにいってるじゃん。

なにか聞いてないのかなって」


「…さすがに、聞いてへんやろ」


「…だよね」

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