らくがん【宮治】

プロローグ2 ページ2

ええ匂いがする



ちょうどお昼時やから、お腹が鳴り止まんわ






キッチンから戻ってきた彼女が持ってきたのは

肉じゃがやった





正確に言うと肉は入ってない


代わりにお麩を入れた、お麩じゃがらしい



『まぁ、精進落としはさっきやったけど』



また、困ったように笑って言う




癖なんかな








早速お麩を食べた俺らの顔を見て、彼女は嬉しそうな顔をする




『飲みものとかお菓子に入れてもええけどな。料理に使うのもええやろ？』



今度は関西弁強めで

にしし、と笑って見せた







どこかパッとしないような


言ってしまえば地味な印象を受けるような人やったけど




チラチラ覗く、おちゃめな表情や喋り方に









きっと、こいつも




俺も、惹かれていった

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