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「私は、本当は貴方に潜入させたくなかったんです…」
会議の後、入間さんの意向で会議室に残った私達。
「薬物関係の潜入捜査をして無事に帰ってこれなかった方を今までに何度も見ています…、脅すつもりではありません。しかし、アドルフに近づければ今の状況は大きく変わる。」
入間さんはいつもに増して真剣な面持ちだった。
『私、大丈夫ですよ。確かに怖いけど、入間さんと、特別対策支部の方々がついてますから』
「それと、これを」
そういって入間さんから手渡されたのは銀色のピンバッチとカプセルの薬だった。
「ピンバッチは盗聴器だ。無線だと何かあった時にバレやすいのでそっちの会話だけ聞こえるように盗聴器にしてあります。」
なるほど、と感心する。よくできている。
『この薬は?』
[Larmes de la femme]の解毒剤はまだ開発中のはず。
私が聞くと入間さんは苦い顔をした。
「それはその…避妊専用のピルです。」
『え、』
もちろんそんなものは飲んだことがない。
男性経験なんてものはないし実物を見るのも初めてだ。
「もしもの時に、役に立つでしょう」
ピルが配布された、という事はそういう事になっても証拠が掴めるまで逃げてはいけないという事だ。
『ありがとう、ございます…』
「心配しないでください、大丈夫です。そんな事にはさせませんから。」
入間さんの強い眼差しに少し胸が打たれた。
大丈夫、きっと大丈夫だ。
決行は明日の夜、アドルフ経営のカジノでアニバーサリーパーティーが行われる。
そこで闇取引が行われるようだ。
私はそこに潜入してアドルフに近づく。
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星妻桜@姉妹同盟(プロフ) - 神作品をありがとうございます…(涙) (2020年6月27日 14時) (レス) id: fe16128dce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:独りんご姫 | 作成日時:2019年9月24日 16時