【万丈目準】天使使いの女はスゴいです･･･いや、天使そのものです。

147ですよ ページ31

ル「………ここは？」ｷｮﾛｷｮﾛ


ル ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ「鍵がかかってる？」


ヘ「目が覚めたみたいだね。」


ル「早く開けろ。」


ヘ「ダメ。」


ル「良いから、早く開けろ！」


ヘ「…まだダメ。時が来れば、開けるからさ。」


ル「……お前、こんな事していいと思ってるのか？」


ヘ「大事な人を守る為だよ、ルアーナ。」


ル「私はお前の大事な者になった覚えはない！だから、早く！」


ヘ「…食事も僕が食べさせてあげるし、ちゃんと面倒見てあげるよ？ルアーナの為だもんね。」


ル「…頭がおかしいんじゃないか！？愛する者にはこんな事をしない！覇王だって…」


ヘ「覇王？……じゃあ、良い事教えてあげよっか。」


ル「………」


ヘ「覇王はデュエルに負けた。」


ル「デュエルに負けたって…それじゃあ……」


ヘ「もう会えないね。」


ル「お前がか…？」


ヘ「僕はそんな事しないよ。」


ル「じゃあ、誰が…」


ヘ「さぁ？じゃあ、夕食の準備してくるから。待っててね、ルアーナ。」


ル「…どうして………」


最後に何か言えば良かった……
何か？……何を言おうとしたのか、自分は覚えていなかった……



ル「………バカだな、私は。」ｸﾞｽｯ


セ「……ルアーナ様。」


ル「………セレネ…か。」


セ「大丈夫ですか…？」


大丈夫な訳…ないだろう。ルアーナ様は覇王様に対して、あんな態度だったが凄く好きだった。覇王様の事を。

お部屋で恋愛の本を読んでいた時はお顔が紅かったし、キスシーンのところでは『覇王とこんな事をしてたのか…//』と呟いていたし……

とにかく大好きだったと私は思う。


ル「……大丈夫だ。」


セ「窓がありますよ、ルアーナ様。…消えてしまった者達は空に帰ると言われています。今は…あの月に居るんじゃないでしょうか？」


ル「…励ましてくれてるのか？」


セ「私はいつものルアーナ様が良いです。」


ル「…ありがとう。」


一瞬、誰かの顔が頭によぎった。
ルアーナ様と良く似てる…誰かが。


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