その36 ページ38
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今日1日、案外あっという間だった。
片付けられていく模擬店を見ながらそう思っていた。
こういうのって作るのには時間がかかるのに壊すのは一瞬でなんだか寂しく感じる。
「物思いに耽ってる場合じゃないよ、明日は体育祭なんだから」
「それもそうだね」
もうほとんどすっからかんになってしまった教室を見ながら言った。
「話は180度変わるけど今日、Aの部屋に泊まってもいい?」
梨々実の家は電車とバスを乗り継いだ場所にあるためそれなりに遠い。
だから帰るのがめんどくさいらしく、今までに何度も学校から徒歩圏内にあるうちのマンションに泊まっていくことがあった。
特に何かがあって疲れている日は決まってそう。
「別にいいんだけど、今同居人いるけどいい?」
「お姉ちゃんって言ってあげなよ…」
と言っても、本当はお姉ちゃんの部屋は私の隣の部屋なのに私のところにいるんだから同居人であまり間違いはない。
そう言えばお姉ちゃんと梨々実も仲良かったっけ…。
そうだ、さっき言ってたロンネフェルトの紅茶を出してもらおう。
そう決めて私達は最後の後片付けの作業に戻った。
「ただいまー」
「おかえりA、丁度いいところに…って梨々実ちゃんお久しぶり!」
「お邪魔してます」
お姉ちゃん、近くの大学に通う私の3歳年上の実姉。
部屋に上がってお茶を出そうとした時に思い出した。
「あ、ロンネフェルトの紅茶出していい?あと、丁度いいところにって?」
そう聞いたら姉にしては珍しい神妙な面持ちで淡々と告げた。
「実はね、────────────」
「え?」
あまりにも突然すぎて飲み込めなかった。
そして次になんで今更って思った。
秋に差し掛かった冷たい風が窓から吹き抜けて行った。
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レン - そしてすずな。幼なじみのnameだ (2018年7月1日 18時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
レン - へ!?須藤?私呼んだ? (2018年7月1日 10時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 完結おめでとうございます!降谷先輩面白かったです!!!!続き楽しみしてますね! (2018年6月20日 22時) (レス) id: d9d137c800 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 第1幕完結おめでとうございます!読んでいて凄く楽しかったです。第2幕期待しています! 更新頑張って下さい! (2018年6月20日 19時) (レス) id: 19822e9e12 (このIDを非表示/違反報告)
志歩(プロフ) - 超キュンキュンします!!(^○^)更新頑張ってください! (2018年6月3日 7時) (レス) id: 34fe10cc01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠々菜 | 作成日時:2018年5月21日 21時