No.116 ◇THE 試験 ページ17
寝る間も惜しんで毎日訓練に励んでいたら、あっという間にヒーロー仮免許取得試験の日はやってきた。
乗っていたバスを降り、目の前に広がる会場を眺める。
試験だから他校の人が沢山いるなあ。みんなどんな"個性"なんだろ。気になる！
人間観察が止まらない私の隣では、響香ちゃんが「緊張してきたァ」って苦い顔してる。
「分かる。なんかソワソワしてきた！」
「……A、ソワソワじゃなくてウキウキしてない？」
「それもまじってるかも！」
気持ちが昂っているのか、心なしか胸やら顔が熱くなってきた気がする。興奮が止まらない……！
今日は、今までやってきた事を出し切るんだ！
「この試験に合格し、仮免許を取得できれば、おまえらタマゴは晴れてひよっ子……セミプロへと孵化できる。頑張ってこい」
「っしゃあ、なってやろうぜひよっ子によォ！」
「いつもの1発決めて行こーぜ！」
相澤先生の言葉に上鳴くんが意気込み、切島くんが活気つけようとしてくれてる。
「せーのっPIus……」
「ウル「Ultra！！」…………？」
被せるように大きな声が聞こえ、拳を上げたまま固まった。
知らない人の声が聞こえたけど、誰だろう。
「勝手に他所様の円陣へ加わるのは良くないよ、イナサ」
「ああ、しまった！どうも、大変失礼、致しましたァ！」
知らない声の正体は、学生帽を被った大柄でガタイのいい男の人。
同じ学校の人から指摘をされたその人は、ピシッと両脇を締め、次に手をまっすぐ伸ばして体を後ろに逸らし、最後に勢いよくお辞儀をした。
このピシッと具合が飯田くんみたい。勢いありすぎて、地面に頭を打ちつけてる所はちょっと違うけど。
「なんだこのテンションだけで乗り切る感じの人は！？」
「待って、あの制服！」
「あれか、西の有名な……」
響香ちゃんと瀬呂くんの言葉で「あっ！」と気づく。
詳しくは知らないけど、名門校ってことは把握してる。
「なんだっけな学校名」
「東の雄英、西の士傑」
「それだそれ！」
さすが、意外と物知りな爆豪くん。
ポツリ呟いていたのを私は聞き逃さなかった。
数あるヒーロー科の中でも、雄英に匹敵する程の難関高、士傑高校。学生帽が印象的だから記憶に残ってる。
「一度言ってみたかったっス！プルスウルトラ！自分、雄英高校大好きっス！」
地面に打ちつけていた頭を上げたその人は、案の定頭から血を流していた。痛そう。
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せなぴ。(プロフ) - ポンコツさん» コメントありがとうございます！スランプ気味ですがこれからも楽しんで頂けるよう更新頑張ります(；_；)！！ (2022年6月18日 21時) (
レス) id: 4abf4e90db (このIDを非表示/違反報告)
ポンコツ(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます！これからも更新楽しみに待ってます☆！ (2022年6月12日 14時) (レス) @page44 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
せなぴ。(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます！不定期更新となっていますがこれからもよろしくお願いします……！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 4abf4e90db (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても面白かったです！続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2022年5月22日 20時) (レス) @page42 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
せなぴ。(プロフ) - らいさん» コメントありがとうございます！映画編は今の所、書く予定はないです(；_；)ですが、いつか構成やネタなどが思い浮かんだら挑戦したいなと思っているので、出来上がった際は是非読んでいただけたら嬉しいです！ (2022年4月24日 21時) (レス) id: 4abf4e90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せなぴ。 | 作成日時：2022年2月13日 15時
