No.112 ◇君のヒーロー ページ13
僕、緑谷出久には、中学時代から仲良くしてくれている女の子がいる。
その子とは同じ中学……という訳ではなく、とある事がきっかけで出会った。
君と出会った日。
あの日から、少しずつ僕の世界が、色づき始めて行ったんだ。
その日、僕は学校帰りの本屋で買ったヒーローズマガジンを読みながら帰り道を歩いていた。
今月はオールマイトのスペシャルインタビューが載ってる。それと、今期デビューのヒーロー特集も！
読み応え満載だ。早く帰って分析ノートに書かなくちゃ。
そんなウキウキな僕は相当熟読していたみたいで、気づけば知らない道を歩いていた。
「キミ可愛いね〜うわっ、しかも常盤台の制服！」
「あの有名な女子校じゃん！」
……なんだか不穏な空気が。
素行が悪そうな人達が大勢いて、その中心には僕と同い年くらいの女の子がベンチに座っている。
「今からオレ達と遊び行かない？」
「帰りはオレ達が送ってやっからさ」
「まっ、いつ帰れっかはわかンねーけどさ」
この状況下の中、女の子はスマホを両手で持ち、画面に視線を向けていた。
これってナンパってやつかな……
ヴィランじゃないにしても、結構まずいんじゃ……
女の子は対処方をよく理解してるのか、話しかけられても全く相手にしていない。
大丈夫そうにしてる、けど……こういう時ってどうしたらいいんだろう。
あの場に割って入っても、何かできる訳じゃないし、足を引っ張るだけかもしれない。
……僕は"無個性"で何の力も持ってない。
かっちゃんみたいな"個性"も強力で、誰もが将来の活躍に期待しているような人物だったら……本物のヒーローみたいにあの子を救えたんだろうか。
僕は大人しくヒーローを呼ぼうと、スマホを手に持った。
……ごめんなさい、すぐに救けが来てくれるから……
心の中で謝りながら、再度女の子に視線を向けた。
「……え、」
思わず目を見開いた。
女の子の様子が、さっきまでと違う。
顔を両手で覆い、俯いてしまってる。
そして、僕は見てしまった。
顔から手を離したあの子から、涙が溢れてる事に。
「……ッ！」
その表情を見た瞬間、咄嗟に駆け出していた。
あんな大勢に囲まれて大丈夫な訳あるか……！
怖いに決まってる！
僕は集団を掻き分けながらその子の元へいき、腕を引っ張った。
そして、近くに居るはずがないヒーローの名前を呼び、こちらへ来るよう促し、無我夢中でその場から走り去った。
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せなぴ。(プロフ) - ポンコツさん» コメントありがとうございます！スランプ気味ですがこれからも楽しんで頂けるよう更新頑張ります(；_；)！！ (2022年6月18日 21時) (
レス) id: 4abf4e90db (このIDを非表示/違反報告)
ポンコツ(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます！これからも更新楽しみに待ってます☆！ (2022年6月12日 14時) (レス) @page44 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
せなぴ。(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます！不定期更新となっていますがこれからもよろしくお願いします……！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 4abf4e90db (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても面白かったです！続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2022年5月22日 20時) (レス) @page42 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
せなぴ。(プロフ) - らいさん» コメントありがとうございます！映画編は今の所、書く予定はないです(；_；)ですが、いつか構成やネタなどが思い浮かんだら挑戦したいなと思っているので、出来上がった際は是非読んでいただけたら嬉しいです！ (2022年4月24日 21時) (レス) id: 4abf4e90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せなぴ。 | 作成日時：2022年2月13日 15時
