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「Aちゃん!どうしたんだ、」

街中で急に腕を引かれたと思って振り返ると
数回お会いしたことある三ツ谷さんだった

「三ツ谷さん、」


泣いて酷い顔してたのか、下がり眉にして
小さくため息をついて笑った
「…ちょっとこっちおいで」

「どこ行くんですか?」
ただ私の腕を掴んで歩き続ける三ツ谷さん


「んー、落ち着く場所」




そう言って連れてきてくれたのは大田区の大森
海がある公園

波の音はどこの海も同じ音を奏でる

「ほら、水でも飲んで」
待ってろってどっか行った間に買ってきたのか
冷たいペットボトルを渡されて両手で掴んで持ってると
飲まないなら目でも冷やしとけって言われた


「俺の妹も失恋した時海連れてきてやると
素直に泣いてたからさ
Aちゃんも素直になるかなって



ね、なんで泣いてたの?」




コーラをこくりと1口飲む三ツ谷さんを横目に
私は冷たいペットボトルを目に当てて冷やして
口を開いた
「千冬さんからの告白の返事してきました」



「まじ?」



「はい。」


「まぁ両片想いだったし上手くいったんだろ」

「ごめんなさいしました。」

「え、は?なんで、だってAちゃん、」

「私には、千冬さんを守れるほどの力はありません
ペットショップで、猫ちゃん達の世話して
優しい笑顔の千冬さんが大好きでした

だからです。」

「どういう事?好きならそれでいいじゃん、
千冬はあんな顔してっけどそれなりに腕っ節は強ぇから
Aちゃんに守られなくても、
逆にAちゃんの事守ると思うけど、」


「…例えばです、
三ツ谷さんがいる世界と、別の世界の人と恋に落ちました

恋を取るなら、
大切な家族にはもう二度と会えなくなります
例え会えても家族に戻ることは出来ません

家族を取るなら、惚れた女の人の傍にはいれません


三ツ谷さんならどうしますか?」



「えぇ…そりゃまた究極な選択じゃ、
んー、家族も好きな奴も守るって事は出来ねぇ?」

「はい。
3つ目の選択肢があるとしたら、死 ですかね

どっちかしか選べません」


「そりゃ難しいな、
まぁどっち選んでも後悔しそうだな。
でも、人ってそうやって成長するもんだから、
後は直感しかねぇんだよな
まぁでも、それなら俺は家族選ぶかな。

失恋にはなっちまうけど、
幸せに生きろって」



目を伏せてそう答える三ツ谷さんは
切なげに眉毛を振るわせた




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まゆか(プロフ) - 飴玉さん» っ嬉しいです!ありがとうございます (2022年1月3日 7時) (レス) id: 9f4232803c (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - Heartache.....大好きです..... (2021年12月28日 15時) (レス) @page43 id: 16dec3cb2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆか | 作成日時:2021年12月7日 0時

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