検索窓
今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:103,163 hit

89 ページ39







車から降りて、慣れた道を進む
真夏の太陽は私をジリジリといじめてくる
暑くて暑くて、走って息が切れてでも、早く着きたい
蘭ちゃんが毎日綺麗だ綺麗だって言いながら撫でてくれてた髪を気にもせず無我夢中に走る


大好きなあの人がいるお店に







「千冬さん」

「Aちゃん」












1ヶ月ぐらい間を開けていたからか
また少し大人を感じさせてくる雰囲気にドキリと胸がなる


「千冬さん、あのね?」

「もしかして返事聞かせてくれるの?」


一虎さんは休みらしくお店の中は千冬さん1人

他の人に聞かれる心配もなく、
ゆっくりとだけど、ちゃんと答えられる気がする



「千冬さん、私に恋を教えてくれてありがとう




私を嫌いになって。」


「え?、Aちゃん?」



「千冬さん、





きらい。」




好き、好きだよ。



この言葉は、1つの呪いだ
「愛してるよ」


千冬さんのネクタイを引っ張り引き寄せて

薄い唇に噛み付くようにキスをした


「素敵な人と幸せに生きてね。」










バイバイ。



そう言って笑って店から出てったAちゃん
俺、振られたって事?


涙を流しながらキスしてきたAちゃんは
甘くも切ない瞳をしていた

なんで、フるなら泣いてんだよ、
まだ俺にチャンスあるって期待しちゃうじゃん、

嫌いになって、って、

あんな顔で嫌いって言われても
嫌いになれるわけないじゃんか

なら愛してるって言うなよ
ばか、



「Aちゃんのバカ、」




「あれ?千冬お前どうした、そんなしゃがみこんで」
休みだった一虎君は暇つぶしがてらに店に来たらしく
フられ直後の俺を見て真面目に心配したのか
ワタワタと俺の周りを回ってる

「Aは泣いて走ってすれ違って行ったし、
喧嘩でもしたか?」

「フラれた。
愛してるって言われてキスまでしてくれたのに
幸せに生きてって、」

「…そっか、

ま、Aに恋してたって思い出は捨てないで大切にとっておけよ。いずれそれがいい思い出のひとつになるって」

一虎君の励ましに
視界の歪みは止まった
「ありがとう、一虎君」

「でもAだって泣いてたんだ。
どうでもいい奴フルのに泣かねぇだろ
Aの気持ち汲み取ってやれ」

なんだか大人なことを言われて少しだけ戸惑ったけど
ストンと心には落ちてきた
「そうッスね、」



「あいつらでも呼んで失恋パーティーすっかぁ」

「もう少し感傷に浸らせろよ」




90→←88



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (100 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
346人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まゆか(プロフ) - 飴玉さん» っ嬉しいです!ありがとうございます (2022年1月3日 7時) (レス) id: 9f4232803c (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - Heartache.....大好きです..... (2021年12月28日 15時) (レス) @page43 id: 16dec3cb2e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まゆか | 作成日時:2021年12月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。