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6☆Y side ページ6

Aのつわりがひどくて、Aは幼稚園の先生を辞めた。

今はお腹の赤ちゃんのために、来年小学生になる翔のために、「母親」になる道を選んだ。


「ありがとう、渉。」

ベッドで少しでも食べられるように、消化のいいものを作った。

「気持ち悪くない?大丈夫?」
「うん!平気…翔は?ご飯食べてる?」
「今日はあいつの大好物なハンバーグだよ!嬉しそうに食べてるよ。」

俺の言葉に嬉しそうなA
どんな時も母親なんだなって思う。

「渉……?」
「ん?どした?」

Aは、俺の手を握っていた。
俺も握り返す。

そして、Aのおデコにキスして、寝室を出た。

「わっ!なんだよ、お前!!!」

予想はしてたけど、やっぱり見てたか。
気にしてたか。

「ハンバーグにつられないからね、ぼく!!」
「…とか言って完食じゃねーかよ。生意気言って!」
「パパとママってぼくがいないとき、チューしたり、手を繋いでたりするのなんで?」
「翔は嫌なの?ママは翔のなの?ママそう言ってたっけ?」


俺は男だからなんとなく、翔の気持ちが分かる。
ずっと一緒にいた母親とか、年上のお姉さんとか…その人に他の男が入ってきたら、面白くないもので……。

俺は翔の同じ目線になって話す。

「よし!男同士の話をしようかな?パパはママを愛してる。ママもパパを愛してる。だから、翔がパパとママのところに来てくれた。そして、妹か弟が来てくれる。凄いことなんだぞー!」
「ママ…」

翔はただ不安だったんだと思う。
ママを誰かに取られちゃう感じ。
現に赤ちゃんのことでいっぱいなA

「ママは、ぼくのこと、あいしてる?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「愛してるよ。命をかけて産んだ子なんだか……」
「パパより?」
「は?……なわけねーだろ!」
「パパなんかより、ぼくの方が優しくするし、ママ見る目ないなー。」

そう言って、デザートに作ってあげたホットケーキを食べ始めた。

「おい!パパを悪く言うなら、ホットケーキ食うなよな!」


「ママは見る目ないなと言っただけ。料理下手だからお似合いなんじゃない?」

そう言って、ホットケーキを「美味しい」と食べてくれた翔。

「パパも食べなよ!」と食べさせてくれた。
いつもAの看病をしてるのを見てるからか、精一杯の翔の優しさ。

優しいお兄ちゃんになるね。

7☆ Y side→←5☆



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作者名:まこ | 作成日時:2018年10月20日 21時

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