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「翔ー!起きてー!幼稚園行くよー?」
朝は苦手な翔はなかなか起きてくれない。
あたしの職場でもある幼稚園……普通の園児さんよりは早起きなのかもしれない。
「おはよう。パパは?」
「お仕事出かけたよ!さ、翔も準備して!」
翔の準備をしながら、昨日の渉とのことを思い出す。
久しぶりの甘い夜。長いキス。
いちゃいちゃもしたいけど、しばらくおあずけかなー。
そんなこと考えていたら翔がいきなり。
「ママ!ぼーっとしてるよー準備できたから、幼稚園いくね!」
そう言って翔はドアを開けてかけて行く。
「ちょっと待って!しょ、翔!!」
「やるなー、翔!」
「もー、北山先生、面白がらないで!ほんとお兄ちゃんになるのに大丈夫かな?」
あたしは頭ポリポリ。
出来るなら、夕べに戻りたい。
渉の胸の中に頭を埋める瞬間……恋人やふたりだけの時間に比べたら最近ご無沙汰してるわけで。
それでも、渉にドキドキじてるし、ときめいてるし、渉もそうだったらなって思う。
「翔も嬉しいけど、不安なんだと思うよ?Aちゃんってわたのこと大好きだから…」
「え……?」
「子どもはね、いつも親の1番でいたいと思うんだよねー。ちょっと翔の様子みてくる!」
そう言って、藤ヶ谷くんは翔のところにいった。
あたしも、どんな時も園児の気持ちに寄り添える保母さんになりたいと思ってたたのに。
妊娠がわかってから、早く渉に会いたかった。
報告したかった。
抱きしめてほしかった。
あたしの不安が翔にわかってしまったのなら、母親失格。
ごめんね、翔。
太輔side
「え!!今なんて……」
「昨日の夜、パパとママ、チューしてたの!ほっぺたじゃなく、結婚式でするやつ!」
「あ……はは。なるほどー。」
結構ラブラブじゃないですか、お二人さん!
だから赤ちゃん出来たんだっけ?
「ママ、幸せそうな顔してた。ぼくの前なら「パパ」って呼ぶのに、「わたる」って呼んでた。」
ママが女の顔になる瞬間を見たってことか……
なるほどそれは複雑かも。
翔はママのことが大好きなんだね。
俺は翔の頭を撫でることしか出来かなった。
これをAちゃんに伝えて。
大丈夫。
翔の大好きなママと
ママが大好きなパパとの間に出来た君だから……
そしてみんなで新しい天使を迎えてあげてね。
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作者名:まこ | 作成日時:2018年10月20日 21時