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妊娠中っていうのは、いろいろ不安定になるもので、翔の前では笑顔でもふと、一人になると不安になってしまう。
あたし、今でもこんなに渉のことが好きなんだな……
でも、今は渉はあたしにドキドキしてくれない?
もしかして外でキレイな人と……なんて考えると気がおかしくなりそう。
今日も渉のことを待つ。
「パパのこと、待ってようね。」
決して体調は良くないけど、渉に会いたかったから。
抱きしめてほしかったから。
赤ちゃんを優しく撫でた。
そして、渉が帰ってきたのは昨日と同じ時間。
渉を見た瞬間、あたしは泣いてしまった。
何も言わずに、渉はキスして抱きしめてくれた。
玄関のところで……久しぶりにした長いキスは涙の味がした。
「えー?転職??」
夜中にも関わらず、声を上げてしまった。
「もう少し稼げるとこに行ければ、翔も赤ちゃんのことも専念出来ると思うんだよね?」
「でも、渉体が……疲れちゃうよ?」
「大丈夫。まだ分からないけど、太輔に聞いたとこはちゃんと休みがあるとこ。子ともたちやAとの時間もあるよ。」
「あたし、いつ復帰できるか分からないから、反対する権利ないよね?」
「そんなことない。嫌なら嫌って言っても……」
渉が真剣に話してくれる。
きっと家族のこと、悩んで考えてくれたこと。
「渉、約束して?」
「ん?なに?」
あたし達は向き合って約束を交わした。
「体、無理だけはしないでね。」
「うん」
「はー!でも、良かったー!渉、不倫したかと思ってたー」
「は?」
あたしの言葉に目がキョトンとしてる渉。
本気で誰かに取られたと妄想してたからホッとした。
「あのなぁ……不倫してるやつが、さっきみたいことすると思う?」
「うーん……奥さんにもする人はいるんじゃないのー?」
「じゃ、不倫してないこと、証明してやる!」
「わ。渉?」
渉の顔を見ると真剣な顔になってあたしの髪を撫でた。
それからは……ふたりの内緒の時間♡
赤ちゃん……ちょっとだけパパと仲良くさせてね?
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作者名:まこ | 作成日時:2018年10月20日 21時