［黄緑］弟に殺された反動の末［SCP-076］ ページ3
これは同じ職場の友人から聞いた話なのだが、2、3日前にSCP-076が脱走して、未だに確保されていないらしい。海面下200mの岩盤層に収容エリアがあり、20000Vの電流が流れるシステムが使用されているのだとか。そんな場所から逃げれるなんて、思えない。
危険度はKeterだと言うが、私達のような一般職員には想像もつかなくて、ありえない、と笑い合った。友人も信じていないのか、いったい誰から話を聞いてきたのだろう。噂好きの友人のことだ、どうせ何処かから盗み聞きでもしたんだろうな。猫好きの私にとっては癒しであるSCP-529、ジョーシーと呼ばれるこの頭を撫で、掃除を終えた。
友人と昼食をとっていると、エマージェンシーコールが鳴り響いた。主にSafeから、Safe寄りのEuclidを扱うこの施設でその音を聞くのは初めてで、皆んな混乱しているようだ。
顔色が悪くなった友人の手を引き食堂を出る。一応、護身用の拳銃は持っておいたが、殆どあてにならないだろう。弾丸を打ち込むより逃げる事を考えなければいけない。友人の手を握る力を強めると、背後から肉が潰れるような音がした。…そういえば、先程から人の声が聞こえない。
嫌な予感がして、不安で、振り向くことが出来なかった。友人の言っていた事を本当だと仮定すると、私の後ろにいるのはSCP-076、アベルだろう。死への恐怖からか涙が溢れた。嗚呼、私、此処で殺されるんだ。
「そんな怖がらんでええやん、なぁ…A。」
正面に回ってきたアベルに名札を手に取られ、笑いかけられた。あべる、と声を漏らすと彼は口を尖らせ、「ゾムって呼んでや。」と言ってくる。
「此処のサイトの職員平和ボケしてんな、銃もまともに使えへんのんか。」
手に持っていたハンドガンを優しく奪われ、遠くに放り投げられた。もうダメだと、死ぬ覚悟ができて、諦めて目を瞑る。次にきたのは痛みではなく、額への温もりだった。
目を開けるとSCP-076…ゾムが着ている緑色の服が視界いっぱいに広がっていて、先程のは彼の口づけだと分かった。
「んふふ、かわええなぁA。
俺と、ずっと一緒におって、遊んでや！」
抱きつく彼を振り払う術など無い。気に入られてしまったがそれは生きるための正解だったのだろうか。考えるのに疲れて、彼に体を預けた。
「弟に殺された反動の末」はKain Pathos Crow作の「SCP-076」に基づきます。
http://scp-jp.wikidot.com/scpauthorssearch/OriginalSearch/SCP-076
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虚無虚無ぷりん - 私得が過ぎる……！！scpに愛されるだけでも幸せなのに×wrwrdとは……！！大好きです！応援してます！！ (7月8日 22時) (
レス) @page2 id: d13357cef5 (このIDを非表示/違反報告)
リンネ - 好きです！好きすぎてヤバイです！！もうほんとヤバイです。本家も忠実に再現しているし、それでもってオリジナル要素を加えるのめっちゃにがてなんでヤバイくらい羨ましいです！これからも楽しみにしてます！ヤバイ長文になってしまいました…失礼しました(手遅れ) (2022年2月19日 19時) (レス) id: 3b214b8514 (このIDを非表示/違反報告)
民草さん(プロフ) - 私得×私得でビックリしました…！あの、rbさんで、scp-5031をよろしいでしょうか？これからも頑張ってください！！ (2022年2月18日 23時) (レス) @page21 id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
No.3 NOM - SCP-1316でshpさんどうですか？ (2021年8月23日 0時) (レス) id: 26c3a40ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ - おぁ…こっちが語彙力喪失する…好きのど真ん中を貫かれた気持ちです、ありがとうございました！どうかお体に気をつけて！ (2021年8月9日 4時) (レス) id: 5744dc7a34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠
| 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2020年5月28日 17時
