すれ違う2つの心は

72nd Love ページ27

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北人「っちょ、果歩！痛いよ！」





北人くんの声を聞いて慌てて手を離した。





「ごめんなさい、」



北人「俺、一応突き飛ばされてるんだから労わってよ、笑」





腰を擦りながら苦い顔をして笑う北人くん。





恐らくというか、確実にさっきの出来事の主要人物は私。



私のせいで北人さんに怪我をさせてしまって、またグループの雰囲気を悪くさせてしまった。





北人「自分のせいだって思ってるでしょ。違うからね？あれは壱馬とまこっちゃんの問題」





そう言いながら私の顔を覗き込んでくる眉を八の字にした北人くんの笑顔に心が温まる。



2人の喧嘩にとばっちりを食らって怪我までしてるのに笑ってる心の広さに感じる嬉しさと、それと同時に感じる申し訳なさ。





優しい北人くんにこんな顔をさせたくなかったし、何ならお前のせいだって言って怒ってほしかった。





「…ごめんなさい」



北人「だから果歩は悪くないって、笑」





俺はこれくらいの傷大丈夫だからちょっと話そうか、そう言って今度は北人くんが私の手を引いて近くの椅子に2人で腰掛ける。





「壱馬くんに話ふられた時、慎の反応が怖くて逃げてきちゃった」



北人「うん」



「慎、ほんとに付き合っちゃったのかな」





口に出してしまえば不安しか湧いてこなくなって、思わず泣きそうになる。





北人「果歩は知ってるの？なんであの2人があんななってるのか」



「……まぁ、昨日のレコーディングの後に色々あって、」



北人「それって俺が聞いちゃいけないこと？」





少しでいいから教えてほしいって言う北人くんに負けて、昨日壱馬くんと見たことを話した。



その間も北人くんは横で頷きながら聞いてくれた。



おっとりとしたザ自由人な北人くんだけど、こうゆう時に一番寄り添ってくれるのは間違いなくこの人。





北人「じゃあ、果歩はまこっちゃんのことが好きなんだ？」



「……いや、」



北人「いいよ、誰にも言わないから」









ついこの前まではこんなやって相談に乗ってもらったりすると迷惑かなって考えちゃってたけど、今は違う。



今までたくさん辛い思いも苦しい思いもしてきたから支え合える、分かり合えるんだって思える。



私がこんなやって考えられるようになったのはメンバーみんなのおかげ。





「ありがとう」



北人「どういたしまして？笑」





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