G.O.A.T (ページ20)

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一段落ちれば
どんどん泥沼にハマっていって

その日俺はベッドから本当に出られなかった

次の日は何とか起き上がってリビングに行けば

CB「顔色悪いけど大丈夫か？」
『大丈夫だよ、ヒョン』
２回目の大丈夫
ヒョンは心配してくれてるのに俺は顔も見ずに答えた
正確には見れなかったって方が正しいかも

LK「頭痛は治まった？ほら、飯食え」
『…ありがとう、でもちょっと食欲無いんだ…』
せっかくリノヒョンが用意してくれたのに、ごめん

水だけ飲んでソファに腰かける

FX「おはようA、大丈夫？」
『ああ、昨日よりはマシかな…』
HJ「そっか、良かった…」
『俺は大丈夫だよ、』

あっという間の大丈夫3回目
まるで自分に言い聞かせるように使う言葉

いつもならきっと2人でイチャつきやがってとか
言ってたと思うんだけど←
そんな元気もなく俺は誰もいないところを眺めるだけ

今日は何の仕事があったっけ？
ああ、レッスンもちゃんとやらなきゃ
曲もつくらないとな…
やるべきことは沢山浮かんでくるのに身体が重たい

BC「A、調子悪そうだけど本当に大丈夫なの？」

俺の顔をしっかり覗き込んで言ってきたヒョン
目を合わせられたけど
それを見てられなくてすぐに逸らした

『俺は大丈夫だよ、ヒョン』

自分に言い聞かせてる言葉を何度も繰り返す

俺は大丈夫
そんなに気にかけてもらわなくても大丈夫だよ、
俺は1人でも大丈夫
これは仕事だから

皆に迷惑をかけてはいけない
そんな気持ちだけが生まれてくるんだ
だから大丈夫を連呼する

BC「…無理だけはしないでね」
『…うん、』

無理しないとダメな時もあるじゃん？
俺はそれが今なんだ、
だから今自分は大丈夫、ここが頑張りどころ
そう思って立ち上がる

『今日は…何だっけ…』

動こうと思ったのに精神と体はリンクしてる
前に聞いたことがあった言葉
それを身を持って実感したのは
あっという間に目の前が真っ暗になって
身体中から力が抜けた

周りにいたメンバー達の焦って俺を呼ぶ声と
誰かが支えてくれた力強さと
次々と触れる暖かい手

それを感じながら俺は意識を失った