episode260 ページ10
.
「なに？」
Aが聞いた。
「もうあいつらに関わるな」
あまりにも唐突に、ドラコは言った。
Aは何のことか分からず、眉を寄せる。
「あいつらって？」
「赤毛のやつらに、ポッター、それにあの『穢れた血』の奴らだ」
Aは『穢れた血』と言う言葉に余計眉を寄せ、聞く耳を持つまいと再び歩みを進めた。
ドラコがむっとした表情でその後を追い、「待て」と。
「話を聞け」
Aは無視して、歩みを速くした。
ドラコが溜め息を吐いて、後を追う。
Aが自分の部屋の前に来て、扉を開けようとした時、ドラコは手で扉を抑えた。
「なんなの？」
Aは苛つきをあらわにして言った。
「僕の話を聞け。もうあいつらに関わるんじゃない」
「どうしてそんなこと言われなきゃならないのよ」
「危険だからだ」
ドラコは静かに言った。
Aは怪訝な顔をして、眉を寄せる。
「どういう意味？」
Aは聞いた。
ドラコは口を開こうとしたが、一旦止め、廊下を見渡す。
人気のない廊下は、静まり返っていた。
「お前も、分かるだろ。今、世の中がどういう状況なのか」
ドラコは声を潜めて言う。
「お前が危険な目に遭うことになるかもしれない。だから、あいつらとはもう関わるな。＿＿わかったな？」
ドラコは真っ直ぐAを見て言った。
Aはたじろぐ。
あまりにも真剣に言う兄の姿に、Aは驚いていたのだ。
「そ、そんなこと言われたって＿＿」
「A様！」
Aが反論しようとした時、廊下の先から屋敷しもべのビーディが現れ、Aを呼んだ。
「あっ＿＿ド、ドラコ様……」
ビーディはドラコが居ることにも気づき、耳を垂れさせると、おどおどして俯く。
ドラコはそんなビーディを
ビーディが去っていくドラコに、安堵したように息を吐いた。
ビーディはドラコが見えなくなったのを確認すると、Aに向いた。
「A様、頼まれていた物を取ってきましたよ」
ビーディは大きな目をきらきらさせて言う。
Aはその報告で、一気にパッと表情を明るくさせた。
ビーディが、背中に隠していた箱をAに見せる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
