episode258 ページ8
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ダンブルドアは黙ってその様子を見ていた。
これが本物の予言だ。
以前、トレローニーが本物の予言をするのを見たことがあるダンブルドアは、その光景に驚きもせずにそれを聞いていた。
「闇の帝王がその者を手にするならば、その者の力は闇の帝王をより強力にするであろう」
トレローニーから発せられる、荒々しい太い声は言葉を続ける。
「同時に、その者は多くの苦しみを味わうことになるだろう」
トレローニーは目をギョロギョロと動かし、まるで別人の様に語る。
「多くの者が死ぬ。しかしまた、多くの者が救われる＿＿」
最後の言葉と共に、トレローニーの頭がガクッと前に傾き、呻くような音を出す。
しかし、すぐに首が上がり、トレローニーは眼鏡の奥にある目をぱちくりさせ、ダンブルドアを見つめた。
「あら？ごめんあそばせ」
トレローニーは夢を見るように言った。
「ダンブルドア校長がいらっしゃるのに、ウトウトしてしまうなんて……今日のこの暑さのせいかしら」
トレローニーは額に薄くかいた汗を拭った。
先程、自分が何を言ったのか、全く覚えていないのだ。
自分の願い通りの行動を示してくれたトレローニーに、ダンブルドアは薄く微笑み、飲み干した紅茶カップを置くと立ち上がる。
「＿＿また紅茶でも、飲みにくるとしようかの。今度はゆっくりとな。ありがとう、トレローニー先生」
「ダンブルドア校長、お待ちになって、まだ＿＿」
トレローニーの言葉を最後まで聞かず、ダンブルドアは『占い学』の教室から出ていった。
トレローニーは、一人になった『占い学』の教室で口を曲げると、紅茶カップと先程テーブルの下に落ちてそのままにしていたトランプを拾い上げた。
ダンブルドアは銀色のはしごを降り、急な螺旋階段をおもむろに降りながら、「ふむ……」と唸る。
「やはり……。じゃが……」
ダンブルドアは悩ましいと言う様に呟いた。
『闇の帝王が再び我々の元へ戻った時、膨大な力を手にする者が現れる。
闇の帝王がその者を手にするならば、その者の力は闇の帝王をより強力にするであろう。
同時に、その者は多くの苦しみを味わうことになるだろう。
多くの者が死ぬ。しかしまた、多くの者が救われる。』
重要な予言が一つ。
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恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
