episode299 ページ49
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「＿＿こんな所で一体何してるの？」
Aは寮の皆を起こさないようにと小さな声でブラックに問いかける。
「やあ、A。久しぶりだな」
ブラックはAの質問に答えず、呑気に挨拶をした。
「久しぶりは良いけど、こんな所で一体何を……まさか、この手紙もあなたから？」
Aは、手に持っていた封筒を見せて聞いた。
ブラックは「そうだ、私が送った」と。
「君と話がしたくてな」
「でも、こんな方法で連絡を取るなんて危険すぎるわ。見つかったらどうなるか、わかっていないはずないでしょう？」
Aはブラックを叱る。
「それに」と続けた。
「手紙を送るなんて！私がみんなの前で開いていたら、どう思われたか＿＿」
「でも君は開かなかった。そうだろ？」
ブラックは火の中でにやりと笑った。
そして、「私は君を信頼していたのさ」と呟くように付け足す。
Aは呆れた様子だったが、それ以上はブラックを叱らなかった。
「それで、話したいことって？」
「＿＿君のこれからについてだ」
Aはブラックの言っている意味がわからず、眉根を寄せた。
だが、ブラックは気にせずに話し続ける。
「君も聞いているはずだ。……ヴォルデモートはこの間にもどんどん力を付けてきている。わたしたちもそれに備えなければならない。君はどうしたい？……どっちに……」
ブラックは合う言葉が見つからず、もどかしさにがしがしと頭を掻いた。
長い黒髪が炎の中で揺れる。
「……私が、ヴォルデモート側につくのかって話？」
Aは静かに聞いた。
ブラックは口をまごつかせて目を泳がせたが、やがて「そうだ」と肯定する。
「そんなの分かりきっていることじゃない？」
Aは不快そうだった。
自分がヴォルデモートに従おうと思うことなんてないのに、と言う気持ちだったからだ。
ブラックは少し慌てて「それはもちろん分かっているさ」と。
「だが、君がどう考えるか、それだけの問題じゃあない。＿＿どうなるかだ」
Aはブラックの言いたいことを理解していた。
純血主義のマルフォイ家に生まれ、両親は死喰い人。
このままマルフォイ家に留まれば、ヴォルデモート卿が動いた時、Aはある選択を迫られるだろう。
その日は遠いものではない。
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恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
