episode298 ページ48
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ロンのキーパー決定を祝う宴会がお開きになると、皆が眠たい目を擦って寝室へと上がっていった。
「A、おやすみ」
「おやすみ」
フレッドとジョージがバタービールの空き瓶を抱え、Aに言った。
隣に居るリーはとても眠そうで、頑張ってやっと立っている状態だった。
「おやすみなさい」
Aも返事をし、女子寮へと上がろうとした時、Aはふと思い出した。
今朝もらった手紙のことだ。
Aは、すっかり存在を忘れていた手紙をローブから取り出す。
封蝋を破り、封筒から手紙を取り出すと、そこにはほんの少しの短い文章だけが書かれていた。
“今日、みんなが寝静まる12時頃、談話室へ降りてくるように”
やはり手紙の最後にも差出人の名前は書かれていない。
Aは困った様に眉を下げる。
「12時……」
Aは談話室に置かれたヘンテコな形をした時計に目をやった。
曲がっていてとても読みづらい時計の針は、12時をあと数分で指すと言うところだった。
Aはもう一度封筒に目をやり、差出人の分からない手紙を訝しげに見つめる。
一体誰がと思ったその時、Aは何かに気がついた。
「A＿＿A」
誰かが自分の名前を呼んでいることに気付いたAは、談話室を見回した。
だが、談話室に人影は無い。
食べ散らかされた食べ物や飲み物の空き瓶が、暖炉の火に反射している。
「＿＿A、こっちだ」
Aは声をたどり、その先にあった赤い炎が上がっている暖炉を見た。
何か炎の中でうごめいている。
Aが目を細めて見ると、そこには信じられない光景があった。
シリウス・ブラックだ。
まさか、そんなわけがないとAは思ったが、焼け焦げだらけのボロ暖炉マットを踏んで、Aは恐る恐る炎へ近づいていった。
すると、やはりブラックの首がちらちらと踊る炎の真ん中に座っていた。
「ブラック＿＿！！」
Aは思わず口にしてしまった彼の名前を隠すように、口を手で覆う。
Aは談話室を見回し、誰も人が来ていないことを確認すると、さらに暖炉に寄って火の中を覗いた。
そこにはたしかにブラックの顔が浮かんでいる。
相変わらず指名手配されている写真からは、想像の出来ないであろう微笑みを見せて、ブラックの首は炎の中に座っていた。
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恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
