episode294 ページ44
.
「でも俺たち、ちゃんと金は払ってるぜ？」
フレッドが不服そうに言った。
「実験する前にちゃんとした説明をしてるの？」
Aの問いにフレッドとジョージは顔を見合わせ、何も答えない。
「ほら。そういうことよ」
Aが言った。
ハーマイオニーが言っていたのは、決してこのことだけではないとは思っていたが。
「そのうち文句を言う生徒が出てくるかもしれないわよ？だから、やるなら慎重にやらなきゃ」
途端にハーマイオニーがAを見た。
小さな声で言ったつもりだったのだが、ハーマイオニーには聞こえていたらしい。
Aはぎくりとし、口を閉じる。
リーが笑いを堪えて震えていたのを、Aは目の端に捕らえた。
これ以上何か言うのは、ハーマイオニーの怒りを買うことになるだろう。
A達はハーマイオニーの責める視線から逃れるように、顔を合わせて何も口にしなかった。
「……談話室がだめなら、どこでやるつもりだ？」
やっとハーマイオニーの視線から逃れられた時、リーがハーマイオニーを警戒しながらフレッドとジョージに聞いた。
双子は唸り、少し考えたが、すぐにニヤリと笑う。
「俺たちはいい場所を知ってる」
「誰にも見つからない場所を。そうだろ？」
リーが双子と同じ表情をした。
明日にはまた彼らの実験は再開されることだろう。
三人はテーブルに集まってもらっていた生徒たちを解散させ、ハーマイオニーの怒りをそれ以上買うことはなかった。
生徒たちが皆寝室に向かっていくと、三人はAの座っているソファに同じように腰掛ける。
「それにしても、明日は金曜だ。何があるか覚えてるか？」
フレッドがAに聞いた。
「なんだったかしら？」
Aはきょとんとして言う。
「クディッチのキーパーの選抜」
ジョージが言った。
Aは、先日アンジェリーナが言っていたことを思い出した。
前キャプテン兼キーパーであったオリバー・ウッドは、ホグワーツを卒業していったのでキーパーに欠員が出たのだ。
「そういえば、ビッキー・フロビジャーがキーパーになりたいって言ってたぜ」
リーが言う。
「あいつはダメだ」とフレッドが首を振った。
「あいつは愚痴り屋だからな。なにに対しても不平不満を言ってるぜ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
